暗号資産市場は、注目を集める米連邦準備制度理事会(FRB)の決定を前に、トレーダーが方向性のあるベットから利回り重視のデルタニュートラル戦略へとローテーションするなかで、様子見の局面に入りつつある。Wintermute は、このFRBの判断が、Bitcoin が年末に向けて85,000ドルか100,000ドルのどちらにブレイクするのかを左右する可能性が高いと見ている。
Wintermute のマーケットアップデートによれば、ここ2カ月のマクロ要因によるボラティリティを経て、足元の環境は安定化している。
市場はマイナス材料への耐性を高めているものの、新たなトレンドを築くほどの確信はまだ示していない。
その小休止により、流動性重視の狭い環境が生まれ、取引はビットコインとイーサリアムに集中している。
ビットコインはおよそ9万500ドルで取引されており、暗号資産市場全体の時価総額は約3.1兆ドルまで回復している。それでもなお、Wintermute は、足元の値動きには依然として脆さが残っていると指摘する。
先週金曜日には、約20億ドル規模の連鎖的な清算により、ビットコインが日中で4,000ドル急落したものの、その後も売りが続くことはなく、レジリエンスが示された形だ。ただ同時に、流動性のポケットがいかに簡単に崩れ得るかを改めて浮き彫りにした。
ナスダックのモメンタムが鈍化し、マクロの不確実性がなお高止まりしているなかで、トレーダーは「広範なベータではなくクオリティ」を重視していると Wintermute は述べている。
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個人投資家・機関投資家のいずれのフローもBTCとETHに対してはプラスとなっている。一方で、ベーシスの圧縮と低調な資金調達レートは、重要な中銀イベントを前にレバレッジを積み増すことに市場が慎重であることを示している。
年末のインプライド・ボラティリティが高止まりしていることから、市場は結果が割れるシナリオを意識しており、12月末時点でビットコインが85,000ドルか100,000ドルのどちらに位置するかをめぐってポジションが構築されている。
今週水曜日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と、来週の日本銀行金融政策決定会合は、いずれも相場の方向性を決める主要なカタリストとして意識されている。
それまでは、Wintermute が指摘するように、小型銘柄ではデルタニュートラル戦略やキャリートレードへのシフトが鮮明になっており、依然として魅力的な資金調達条件が維持されている。
こうした動きは、投資家が投機的なアップサイドよりも、資本効率とインカム獲得を優先していることを示唆している。
Wintermute の見立てでは、市場は「確信を欠いたまま」レンジ内での持ち合いを続けており、次の大きな値動きを決めるのは暗号資産固有のファンダメンタルズではなく、金利政策に関するシグナルだという。
目立ったマクロサプライズがない限り、暗号資産はレンジ相場にとどまり、ボラティリティは新たな物語ではなく、流動性のストレスやポジショニングによって左右される公算が大きい。
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