Zcash は、取引高の急増と機関投資家による積み増しを背景に、プライバシー重視の暗号資産としての関心が再燃するなか、420ドル近辺のレジスタンスを試している。
ZECは月曜日に395ドル前後で取引され、24時間で11%高、週間では18%の上昇となった。
このプライバシーコインは、11月の700ドル超の高値からの急落後、直近1カ月ではなお27%安となっている。
何が起きたか
月曜日の反発局面で取引活動が急増した。
現物出来高は24時間で12.8億ドルに達し、前日からほぼ倍増した。
先物出来高は100%以上増加して55億ドルとなり、未決済建玉も21%増の8.95億ドルまで膨らんだ。
Bitget は12月3日にZECの現物取引を上場し、二桁台の日中上昇を引き起こすとともに、1億2000万人のユーザーに対するアクセスを拡大した。
この上場は、シールドプールの利用率が供給量の30%に達するなど、プライバシーコインが再び脚光を浴びるタイミングで行われた。
機関投資家の動きは11月に加速し、ウィンクルボス兄弟が支援する Cypherpunk Technologies が1億ドル規模のZEC準備金を発表した。
同社は23万3644ZECを取得し、保有量を総供給量の5%まで拡大する計画を明らかにした。
Grayscale は11月26日、保有するZcash Trustを、プライバシーコインを追跡する米国初のスポットETFに転換する申請を行った。
申請時点で同トラストは1.99億ドル相当の資産を保有しており、承認されればZCSHのティッカーでNYSE Arcaに上場する見通しだ。
一方で、規制面の逆風も顕在化している。Bithumbは、欧州のMiCA 2.0ルールに基づき、12月1日にZECを上場廃止とした。
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この動きは、米国の取引所が上場を維持する一方で、プライバシーコインをめぐる地域間の溝が広がっていることを浮き彫りにした。
なぜ重要か
取引所への新規上場、機関投資家によるトレジャリー構築、ETF申請の収斂は、長年の規制圧力を経たプライバシーコインにとって転換点となり得る。
Zcashは現在、プライバシー重視の暗号資産の中で最大の時価総額を有しており、2025年に1000%の急騰を遂げたMoneroを上回っている。
テクニカル面では、ZECは420ドルのレジスタンス付近で、数カ月にわたるシンメトリカル・トライアングルパターンの上抜けを試している。
アナリストによれば、この水準を日足終値で明確に上回れば、460〜500ドル方向への上値余地が開ける可能性がある。
一方、レジスタンス突破に失敗した場合は、350ドルおよび300ドル近辺のサポートゾーンを試す展開となるリスクもある。
相対力指数(RSI)は売られすぎ水準から持ち直し、40台半ばまで回復しており、トレンド転換を確証するには至らないものの、初期的なモメンタムの安定化を示している。
半減期後のZcashの新規発行は依然としてタイトで、現在は約30%のトランザクションで、送信者・受信者・金額データを暗号化するシールドプールが利用されている。
レバレッジポジションと未決済建玉の急増は、トレーダーがボラティリティに備えてポジションを構築していることを示唆しており、次のブレイクアウトが12月相場の方向性を左右する可能性が高い。
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