暗号資産ベースの予測市場プラットフォーム Polymarket で、インサイダー取引の疑いが持たれる事案が発生し、チェーン上の市場を通じて機密性の高い地政学情報がどのようにマネタイズされ得るのかについて、改めて厳しい視線が注がれている。新規に作成されたアカウントが、ベネズエラ指導者 ニコラス・マドゥロ の逮捕に連動したポジションで、比較的小さな賭け金を六桁の利益に 変えたと報じられているためだ。
公開トランザクションデータによれば、ジョー・ポンプリアーノ が 指摘したように、新規登録されたポリマーケットのアカウントが、マドゥロ失脚を予測するコントラクトに3万ドル超を投じていた。

その24時間以内に、米国は軍事作戦の結果としてマドゥロを拘束したと発表。これを受けて市場価格は急騰し、およそ40万ドルの利益が生まれたと見積もられている。
他の市場参加者はこの取引を異常だと指摘している。このアカウントが、米軍行動や1月末までのマドゥロ失脚など、ベネズエラ関連の結果にほぼ専念していたうえ、コントラクト価格がまだ低確率を示していた時期に集中的にポジションを取っていたためだ。
予測市場と情報の非対称性
伝統的な金融市場とは異なり、ポリマーケットのような予測プラットフォームでは、非公開情報に基づく取引が禁止されていない。
このモデルは、情報源を問わず市場が情報を効率的に集約するという前提に立っている。しかし批判者は、その特徴ゆえに、国家安全保障に関わるイベントと結びついたコントラクトでは、倫理的・規制的な死角を生むと主張している。
ポリマーケット側はこれまで、自社は規制された証券取引所ではなく「情報市場」として運営しており、トレーダー自身が適用される法律を順守する責任を負うと説明してきた。
同プラットフォームは、今回問題となっている具体的な取引について、公にはコメントしていない。
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米国、軍事作戦後にマドゥロ逮捕を発表
市場の急騰は、ドナルド・トランプ 大統領による劇的な発表とほぼ同時に起きた。トランプ氏は、米軍がマドゥロを拘束するためベネズエラで軍事作戦を実施したことを確認したのである。
記者会見でトランプ氏は、マドゥロを「不法な独裁者」と 呼び、米国への大規模な麻薬密輸を担う犯罪ネットワークを率いてきたと非難した。
「マドゥロとその妻は、間もなくアメリカの正義の全ての力に直面し、米国の法廷に立つことになる」とトランプ氏は述べた。
作戦の詳細について、トランプ氏は米軍がカラカスで空・陸・海の戦力を動員する「並外れた軍事作戦」を実施したと説明し、マドゥロを拘束するための決定的な行動であり、数十年で最も重要なアメリカ軍事力の行使の一つだと位置付けた。
規制と市場の健全性をめぐる議論の再燃
ポリマーケット上の取引タイミングと、その直後に行われた米国の発表がほぼ一致していることから、予測市場が機密情報や高度にセンシティブな地政学的動向に結びつく取引に制限を設けるべきかどうか、議論が再燃している。
これらの取引は、表向きはポリマーケットのルールには反していないように見えるものの、批判者は、こうした事例が予測市場への一般の信頼を損ないかねず、すでに暗号資産ベースのプラットフォームが政治・金融のナラティブに与える影響を調査している規制当局の関心を、さらに引き寄せる恐れがあると主張する。
一方、予測市場の支持者は、こうしたプラットフォームはしばしば、伝統的な情報チャネルよりも早く情報を表面化させ、公式発表よりもリアルタイムの期待値を反映しているのだと反論する。
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