スイス初の個人向けビットコイン現物ETF、機関投資家限定ファンドから5年でFINMA承認

Regulator FINMA waived diversification rules to approve Switzerland's first spot Bitcoin ETF for retail investors, with custody safeguards (Image: Shutterstock)
Regulator FINMA waived diversification rules to approve Switzerland's first spot Bitcoin ETF for retail investors, with custody safeguards (Image: Shutterstock)

スイス金融市場監督機構(FINMA)は22日、一般投資家向けとしては同国初となるビットコイン(Bitcoin)現物型ETFの設定を認めた。暗号資産専用のファンドとしては、機関投資家など適格投資家向け商品を承認してから5年ぶりとなる。今回は通常の分散投資規制を適用除外とする一方、カストディーや運用リスク、情報開示に関する厳格な保護措置を条件にしている。対象銘柄はビットコイン((BTC))のみだ。

主なポイント

  • FINMAはスイスで初めて、一般投資家が購入可能なビットコイン現物ETFを承認。ただしファンド名や運用会社は非公表。
  • ビットコインの長期にわたる取引実績と極めて高い出来高を理由に、通常の分散投資ルールを適用除外。
  • カストディー、オペレーショナルリスク、開示に関する保護策を義務付け、他社からも同種商品の申請や計画が相次ぐ。

FINMAのビットコイン特例

スイス金融市場監督機構は、この商品について、スイスの投資信託法に基づき「ビットコインに直接投資する公募ファンドとしては初の事例」だと説明した。法的には、既存の暗号資産連動商品で多用されてきた債券型のETPとは異なり、「特別なリスクを伴うオルタナティブ投資向けその他ファンド」に分類される。こうした枠組みでの申請は他の運用会社からも出ているほか、申請予定の公表も相次いでいる。

通常、スイスのファンド規制では、運用資産を複数の銘柄に分散させることが求められる。FINMAは今回、ビットコインの長い取引履歴と、他の多くの暗号資産を大きく上回る流動性を勘案し、単一銘柄への集中投資を例外的に認めた。

一方で、FINMAの広報担当者は、承認されたファンド名や運用会社については明らかにしない方針を示した。個別の金融機関に関する情報は開示しないというのが理由だ。ティッカーシンボル、信託報酬、カストディアン(保管機関)、設定時の純資産額、上場予定の取引所なども公表されておらず、商業的な詳細は不透明なままだ。市場は商品誕生の事実だけを知らされ、具体的な条件は依然ベールに包まれている。

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ビットコイン投資リスクの強調

FINMAは今回の承認が「ビットコインを安全な投資対象と認定したものではない」と強調し、価格変動の激しさから、投資元本の相当部分を失う可能性があると警告した。投資家は、どの程度の金額を投じるか判断する際に、こうしたリスクを十分考慮すべきだとしている。

承認条件として、監督下にある金融機関は、FINMAが1月12日に公表した暗号資産向けガイダンスに沿い、カストディー(保管)やオペレーショナルリスクを低減する措置を講じなければならない。また、ファンドの目論見書や関連資料には、こうしたリスクを明確に記載することが求められる。

販売会社についても、金融サービス法(FinSA)に基づき、投資家に対する「適合性」「適切性」の確認義務を履行し、ボラティリティや損失可能性について明確な警告を行うことが義務付けられる。FINMAは、こうした販売時点でのルール適用により、投資家は暗号資産を直接購入する場合よりも高い保護を受けられると主張している。

スイスにおける暗号資産ETPの歴史

今回の新ファンドは、すでにスイス市場で取引されている暗号資産関連商品とは仕組みが異なる。**SIXスイス取引所(SIX Swiss Exchange)**に上場しているビットコイン連動の上場商品は、原則として担保付きの債券型ETPであり、投資信託としてのFINMA承認は不要だ。一方、今回のETFはファンド法の適用を受け、より厳格な投資家保護ルールの対象となる。

SIXは2018年に暗号資産連動商品の上場を開始し、2019年にはビットコインとイーサ(Ether)((ETH))に連動する商品も導入した。FINMAは2021年9月、複数のデジタル資産バスケットに投資するCrypto Market Index Fundを承認したが、投資対象を適格投資家に限定し、一般投資家には開放しなかった。

その後、2025年9月にはBitwiseがビットコインやソラナ(Solana)((SOL))、XRP((XRP))およびデジタル資産指数に連動する5本の暗号資産ETPをSIXに上場させるなど、上場型暗号資産商品の裾野は広がっている。今回のビットコイン現物ETFは、こうした流れの中で、個人投資家向けの規制枠組みの下に置かれる初の本格的なファンド商品となる。

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Radityo Bagus Raharianto

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