イーサリアム (ETH) は、ETF需要の増加やクジラによる買い集め、デリバティブ市場の活況を追い風に、3,000ドル到達が視野に入りつつある。ただし、ETH/BTCレシオがまだ上昇トレンドを明確に確認できていない点が懸念材料となっている。
主なポイント
- イーサリアムのデリバティブ市場におけるオープンインタレストは300億ドル(約3兆円)に到達し、機関投資家とクジラの買い越しが相場を支えている。
- ETH/BTCレシオは0.03の水準を何度も試しているが、依然として明確なブレイクに失敗している。
- レバレッジのロング偏重が続くなか、ETHが勢いを失いETH/BTCがレジスタンスを抜けない場合、下押し圧力が強まる可能性がある。
3,000ドルに向けたイーサリアムの地合い
イーサリアムの市場環境は複数の指標で改善している。ETHは今四半期の騰落率が70%超のペースで推移しており、実現すれば過去最強の第3四半期となる見通しだ。同期間のリターンは ビットコイン (BTC) の約2倍に相当する。
デリバティブ市場のオープンインタレストは、2025年10月以来となる300億ドルに到達し、約1,200万ETH相当の建玉が積み上がっている。Binance、Bybit、Bitget、HTX、Gate の主要取引所合計でロング/ショート比率は平均1.54と、レバレッジポジションは依然としてロング優位だ。
機関マネーも戻りつつある。Arkham Intelligence のデータを引用したAMBCryptoによると、BlackRock の2本のイーサリアムETFは直近20営業日で合計約10.1億ドル分のETHを買い付けた。このうちETHAが7.872億ドル、ETHBが2.212億ドルを占める。
クジラの動きも強気を示唆している。Lookonchain のデータによれば、ある正体不明の大口投資家は、直近で200.71ビットコイン(約1,720万ドル相当)を6,247ETHへスワップ。これに先立つ6日間で合計1,308BTC(約1.04億ドル)を4万670ETHに乗り換え、その後ステーキングに回したという。
関連記事: ステーブルコインは新興国銀行から1兆ドルを吸い上げる恐れ、SVB論文が警鐘
ETH/BTCの抵抗線が示すリスク
目先の最大の不確定要素は、ETH/BTCペアにある。ETH/BTCレシオは直近で8カ月ぶりの高値圏で週足クローズを付けたものの、0.03近辺のレジスタンス突破にこの1カ月余りで3度失敗している。
AMBCryptoは、0.03を明確かつ持続的に上抜ければ、イーサリアムがビットコインに対して相対的なモメンタムを強めていることを示す、より強力なシグナルになると指摘する。反対に、ブレイクアウトが実現しない場合、ロングに傾いたレバレッジポジションがリスク要因となりうる。ETHの上昇が鈍化すれば、レバレッジ勢によるポジション解消が一斉に進む可能性があるためだ。
こうした事情から、0.03という水準は3,000ドルシナリオにとって重要な分岐点となる。ETFへの資金流入、クジラの積み増し、デリバティブ市場のポジショニングはいずれも強気シナリオを後押ししているが、ETH/BTCレシオの動向こそが、「市場全体の本格的なローテーション」なのか「レバレッジに主導された一時的ラリー」なのかを見極める決め手になりそうだ。
レシオの直近の推移も慎重姿勢を裏付ける。ETH/BTCは何度も0.03の壁を試しながら、いずれもその上での定着に失敗してきた。イーサリアム自体は過去最高水準の第3四半期リターンに迫るなかで、ビットコインに対する相対的な強さだけが、いまだ「仕上がっていない」ピースとして残されている格好だ。
次に読む: カルダノが30%反発、次の焦点は0.315ドル

