発信元が特定されていないウォレットが、約4億800万ドル相当となる16万7,855単位のイーサリアム((ETH))を取引所に移動させた。8月の上昇相場の持続性に、あらためて疑問符が付いている。
ポイント
- 1つのウォレットが複数アドレスから16万7,855ETHを受け取り、そのうち7万739ETH(約1億7,400万ドル)を2日間で取引所へ送金。
- 約9万7,115ETH(約2億3,700万ドル相当)は依然としてウォレット内で未動用。
- 入金は、イーサリアムが8月を前月比32.5%高で終えた直後に発生。これは2025年7月以来の好成績。
OKX・Binanceなどに広がる大型イーサリアム入金
ブロックチェーン分析企業Lookonchainは火曜日、このウォレットの動きを検知。複数のウォレットから合計16万7,855ETHを受け取った後、取引所への送金が始まったと報告した。
保有分は一括ではなく、時間をかけた分割送金という形で外部に流出。2日間で合計7万739ETH(約1億7,400万ドル)が複数の取引所に入金された。
送金は1,000〜5,000ETH単位のバッチで行われ、OKX、Binance、Bybitに到達している。トレーダーの間では、大口投資家が板を見ながら売りを出している典型パターンと受け止められている。
暗黙の移転価格は1ETHあたり約2,430ドルとみられ、残る9万7,115ETH(約2億3,700万ドル相当)は現在も移動していない。
アドレスの所有者は公表されておらず、売買目的など詳細は不明。残りの保有分についても、今後の意図を示すようなオンチェーン上の手掛かりは出ていない。
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CryptoQuantのシグナルとTed Pillows氏、レバレッジ清算リスクを警戒
取引所への入金増加は、即時売却可能なコインの供給が増えることを意味するため、オンチェーン分析企業CryptoQuantは現物市場の売り圧力指標として重視している。
もっとも、オンチェーン上の送金だけで売りを断定することはできない。アナリストらは、カストディ変更や担保差し入れ、店頭(OTC)決済などもオンチェーン上は同様のフットプリントを残すと注意喚起している。
オンチェーンアナリストのTed Pillows氏は、現在水準付近でレバレッジをかけたロングポジションが積み上がっていると警告。建玉残高(オープンインタレスト)は約497.3万ETH、資金調達率(ファンディングレート)は高止まりしている。
その結果、ETHが再び2,550ドル近辺で上値を抑えられれば、市場は急な逆風にさらされかねない。同水準は今週だけでも複数回の上抜けトライが失敗しているレジスタンス帯だ。過去24時間で清算額は総額7,160万ドルに達し、そのうち5,900万ドルはロングポジションの強制ロスカットだった。
BitMineの買いとETF流入がETH相場を下支え
一方で、需給面の支えも強まっている。現物型イーサリアムETFは8月に合計18.5億ドルの資金流入を記録し、1年以上ぶりの好調な月となった。月末時点では11営業日連続での資金流入となっている。
マイニング関連企業BitMineは先週だけで5万3,501ETHを買い増し、保有残高は約590万ETHに達した。さらに、1万〜10万ETHを保有する中堅クジラウォレットは、8月に合計43万ETHを買い越しており、小口アドレスの売りを吸収する形となった。
イーサリアムは8月に32.5%上昇。2025年7月以来の上昇率で、2カ月連続の月足陽線となった。
もっとも、その前には昨年10月から今年6月にかけて約70%下落しており、今回の反発局面でも、下落前の水準まではまだ戻していない。ETHは水曜日時点で約2,463ドルで推移しており、8月の上昇相場開始以降、何度も上抜けに失敗している2,550ドルの上値抵抗をいまだ明確に突破できていない。





