Revolutのサービスが20日、ロンドン拠点のGoogle Cloudで発生した電源トラブルの影響を受け、複数国で大規模障害に見舞われた。カード決済や送金など約30の機能が利用できなくなり、デジタル銀行としては異例の事態となった。
主なポイント
- 英国、アイルランド、フランス、スペイン、日本のRevolut利用者が、カード決済・送金・ログインなどを利用不能に
- 障害はGoogle Cloudロンドンリージョンの電源トラブルに起因し、他の英国銀行にも波及
- Revolutは「顧客資金とデータは安全」と強調、エンジニアが復旧作業を継続
Revolutでカード決済が全面的に混乱
英国、アイルランド、フランス、スペイン、日本のユーザーからは20日朝以降、カード決済の拒否やログイン時のエラーメッセージが相次いで報告された。Revolut側は当初、復旧見通しを明示せず、不透明感が広がった。
ネット障害監視サイトDowndetectorへの苦情件数は未明から急増し、通報レベルは午後遅くになっても高止まりした。モバイルアプリだけでなく、通常はバックアップと見なされるはずのプラスチックカードも使えないケースが多発し、実店舗での決済にも影響が出た点は、金融アプリ障害としては異例だ。
同社のステータスページによると、送金、ATM引き出し、外貨両替、プレミアムプラン、口座ログインなど、日中を通じて28〜31の機能が「一部利用不可」として一覧に掲載された。RevolutはX(旧Twitter)上で、エンジニアが「可能な限り速やかに」全面復旧を目指していると説明し、別の投稿では「顧客の資金とデータはすべて安全に保たれている」と強調した。
Google側は、欧州西部リージョン「europe-west2」(ロンドン)内の一つのゾーンで発生した「電源イベント」が原因だと特定した。20日早朝にエラー率の上昇と断続的なネットワーク障害を検知し、約6時間後の正午過ぎには大半のサービスが復旧したと説明している。事情に詳しい関係者は、このGoogle側の障害がRevolutのシステムダウンにつながり、複数の英国系銀行にも影響したと証言した。
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クラウド集中リスクをFeng Li氏が警鐘
ロンドンのBayes Business Schoolで研究・イノベーション担当副学部長を務めるFeng Li氏は、この障害について「少数のクラウドプロバイダーに、我々の経済がいかに深く依存しているかを思い知らされる出来事だ」との見方を示した。現時点でRevolut、Googleのいずれもサイバー攻撃の可能性には言及していない。
Revolutは欧州最大級のフィンテックアプリの一つで、個人顧客は世界で8,000万人超。うち英国が1,300万人、スペイン600万人、フランス500万人、アイルランド約340万人としている。企業向け口座も75万社以上が利用しており、企業価値は1,211億ドルとされ、欧州で最も高く評価されるスタートアップに位置付けられている。
今回の障害は、先月相次いだデータ関連インシデントに続く打撃でもある。Revolutは、約680人分の機微な顧客情報を「政府当局を装った第三者」に誤って引き渡したと公表したばかりだ。また、サードパーティーのブローカーであるDriveWealthでの情報漏えいにより、アイルランドの一部顧客にも影響が及んだ。
さらに、今回のトラブルは**Amazon Web Services(AWS)**の大規模障害からちょうど1年後に発生した。2025年10月20日、バージニア北部リージョンの障害で、Lloyds Banking Groupのアプリ、Coinbase、Venmoなど多数のサービスが停止した。Amazonは、自社のデータベースサービス「DynamoDB」でのDNSトラブルが原因だったと説明している。この際には、Amazon自身のECサイトに加え、一部ユーザーのAlexaスマートスピーカーやRingドアベルもダウンした。
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