Grayscale は証券取引委員会(SEC)に対し、Bittensor の TAO トークンを対象とする上場投資商品(ETP)を NYSE Arca にティッカー GTAO で上場するための申請を行った。S-1登録申請は、店頭取引で提供している Bittensor Trust を公開市場で取引される商品へ転換しようとする取り組みであり、承認されれば米国初のTAO ETPとなる。申請時点でTAOは約222ドル付近で取引されていた。
何が起きたのか:SECへの申請
Grayscale は、12月30日にSECへ初回のS-1登録届出書を提出し、Bittensor Trust をNYSE ArcaにティッカーGTAOとして上場する承認を求めた。
同社はソーシャルメディア上でこの申請を公表し、このマイルストーンがトラストをETPへ転換する次のステップであると強調した。
この商品は、投資家がトークンを直接保有することなくTAOの価格に連動したエクスポージャーを得られる、従来型の株式市場向け金融商品として機能する。
投資家は暗号資産ウォレットを開設する代わりに証券会社の口座を通じて株式(シェア)を購入し、技術的なハードルを下げつつ、価格変動リスクにはフルにさらされることになる。
Grayscale はすでにこの商品を店頭取引商品として運用しており、公開市場への上場によって、証券会社、アドバイザー、年金口座などからのアクセスが拡大する。同社が Bitcoin や Ethereum 商品で用いてきたのと同様のアプローチだ。
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なぜ重要なのか:規制されたエントリーポイント
Bittensor は、独立した参加者が機械学習モデルを提供し、AIサービスを提供することでTAOを獲得する分散型ネットワークとして機能している。
ネットワークは2025年にはおよそ128〜129のサブネットへと拡大し、不正検知からオンデバイスAI、合成アイデンティティのテストまで、幅広いアプリケーションをカバーしている。
カストディ事業者である BitGo、Copper、Crypto.com は現在、Yuma のバリデータを通じてTAOをサポートしており、機関投資ファンドがこのトークンを保有できるようになっている。
TAO Synergies は、トレジャリー資産としてTAOを積み上げるために約1,100万ドルを調達した。
今回のETP申請は、伝統的な投資家がAI×暗号資産へのエクスポージャーを得るための「規制された入り口」を追加するものだ。Grayscale の動きは、同社が過去に MakerDAO、Dogecoin、Sui 向けトラストを組成したのと同様に、AI暗号資産が大手アセットマネージャーの視野に入ってきたことを示している。
ETPは、トークンを直接保有する形態とは構造的な違いがある。投資家はTAOを自己管理するのではなく、トラストの持分(シェア)を保有するため、カウンターパーティーリスクと継続的な運用報酬(手数料)が発生する。また、ETPのシェアはBittensorネットワーク上でのバリデーションやAIサービスの支払いには利用できず、これらにはトークンを直接保有していることが必要になる。
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