Nous Research、GPT・Claude・DeepSeekを束ねる「Hermes MoA 2.0」を公開 単独モデルを上回るスコアを達成

Hermes MoA 2.0
Nous Research Ships Hermes Mixture of Agents 2.0 With Multi-Model Ensemble Beating Solo Frontier Models (Image: AI)

Nous Researchは日曜日、複数の大規模言語モデル(LLM)の出力を統合する 「Hermes Mixture of Agents 2.0(Hermes MoA 2.0)」を公開した。GPT、 Claude、DeepSeekなどを組み合わせ、従来の単一モデルを標準ベンチマークで 上回る応答を生成することを狙ったフレームワークだ。

report によれば、MoA 2.0は既存の「Hermes Agent」フレームワークのアップデート版であり、 オープンソース構造を維持したまま拡張されている。

仕組み:アンサンブル層としての「Mixture of Agents」

Hermes MoA 2.0は「アンサンブル層」として機能する。複数のベースモデルに並列で クエリを投げ、その出力を収集・統合して最終的な回答を合成する。 この「Mixture of Agents(エージェント混成)」アプローチでは、 個々のAIモデルを“専門家エージェント”として扱い、単一モデルに すべてを任せる従来構造からの脱却を図っている。

どのモデルをアンサンブルに参加させるかはユーザー側で柔軟に設定できる。 デフォルト構成では、異なる学習方針やデータ構成を持つ3つの代表的モデル GPT、Claude、DeepSeekを採用。これらの出力をプールすることで、 モデル同士の補完的な強みを取り込む設計だ。

公開と同時に示されたベンチマーク結果では、Hermes MoA 2.0は推論、コーディング、 指示追従タスクの各分野で、構成要素となる各モデルを個別に上回ったという。 特に、単一モデルでは一貫性が崩れやすい長尺の推論タスクで、 有意な性能向上が確認されたとされる。

フレームワークは引き続きオープンソースとして提供されるため、研究者や開発者は アーキテクチャを検証し、ベースモデルを差し替え、用途に応じて アンサンブルの組成を最適化することが可能だ。

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オープンウェイト勢、エージェント編成で攻勢

Nous Researchは、研究コミュニティ向けのオープンウェイトモデル提供で 存在感を高めてきた。2026年初頭に公開された初代「Hermes Agent」 フレームワークは、複数モデルのオーケストレーションにおける 一つのベースラインを築いた。

背景には、オープンウェイトAIの開発サイクル加速がある。 Z.aiは2026年7月初旬、長期的なエンジニアリングタスクを意識した オープンウェイトのコーディングモデル「GLM-5.2」を発表した。 クローズドモデルが評価を確立してきた特定能力領域に対し、 オープンウェイトの研究所がピンポイントで切り込む流れが続いている。

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Qwenの元テクニカルリードであるJunyang Lin氏は2026年6月末、 エージェント的なシステムこそがAI開発の「正しい次のステップ」だと 公に主張した。モデル単体の追加学習だけでは再現しにくい能力向上を、 エージェントとモデルの組み合わせで実現しようとするという点で、 MoA 2.0の設計思想と軌を一にしている。

Hermes MoAのリリースはまた、基盤モデル(ファウンデーションモデル)と その上に載るエージェント層の役割分担をどう定義すべきか、という AI研究コミュニティ内の活発な議論の最中に投下された。

Andrej Karpathy氏は今週、エージェント主導の開発に傾き過ぎれば、 OpenAIがかつての研究サイクルで犯した過ちを繰り返しかねないと警鐘を鳴らした。 Nous Researchのアプローチは、強力な基盤モデルをインプットとして活かしつつ、 その上にオーケストレーション層を重ねる「中庸」の道を模索するものと言える。

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今後の注目点

Hermes MoA 2.0は、最新のフロンティアモデルとの直接比較はまだ十分に行われていない。 2026年半ばに登場したClaude Sonnet 5や更新版GPTなどがベンチマークの勢力図を 変える可能性もある。現時点でNous Researchは、MoA 2.0に関する 査読付きの学術論文を公表していない。

一方で、開発者にとっての実務的な意義は分かりやすい。クローズドな フロンティアモデルのベンチマークを、むしろそれらを組み合わせることで 上回るオープンソースツールが登場したことで、研究チームは 推論性能の高い環境を、推論ごとに高額なAPI料金を支払うことなく 利用しやすくなる。

AI業界にとっては、MoA 2.0は「単一の支配的モデル」ではなく 「モデルの多様性」と「組み合わせ戦略」こそが次のAI展開フェーズを 形作るとの見方に一段と説得力を与える。今後数カ月で、OpenAIやAnthropicが アンサンブルベースのアプローチにどう応じるかが注目される。

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