米証券取引委員会(SEC)が、自動売買プール(AMM)を通じたトークン化株式の取引に新たな特例措置を設けたことで、2024年からネイティブAMMプールを稼働させている**XRP Ledger(XRPL)**が改めて脚光を浴びている。
主なポイント
- SECの「イノベーション特例」により、許可型の取引プラットフォームは2031年まで、AMM型の流動性プールを通じてトークン化した米株を取引可能に。
- XRP Ledgerは2024年3月からネイティブAMMを実装済みだが、今回の命令文で特定のブロックチェーン名は挙げられていない。
- XRPは9月24日に1.50ドル近辺まで下落したものの、直近1週間の約16%高の大半を維持。
SECの「イノベーション特例」とは
SECは9月17日、トークン化された米上場株の取引を行う「Tokenized Securities Venues」に対し、許可型AMM流動性プールを用いた取引について一定の規制緩和を認める命令を公表した。条件を満たしたプラットフォームは、証券取引法上の「取引所」には該当しない扱いとなり、一部の流動性供給者は「ディーラー」として登録義務を負わない。
これらの特例は、恒久的なルール制定を検討する間の暫定措置として、2031年9月17日まで時限で適用される。
法律事務所による解析レポートによれば、トークン化株は元の株式と同一の経済的権利および議決権を備える必要があり、第三者が勝手に株式をトークン化した場合、発行体は30日以内に異議を申し立てる権利を持つ。
また、トークン化株を扱うプラットフォームには以下のような制約が課される。
- 元の株式が上場する取引所で売買停止となった場合、トークン側の取引も即時停止すること
- スマートコントラクトは公開かつパーミッションレスな分散型台帳上に展開すること
- 取り扱い対象は「Tier 1」株式75銘柄までに限定され、その多くはS&P 500構成銘柄
この「公開・パーミッションレス台帳」という要件は、2024年3月22日にAMM機能を本番稼働させたXRP Ledgerのようなネットワークにとって重要だ。XRPLのAMMプールは、同台帳上の分散型取引所(DEX)に組み込まれており、公式ドキュメントでは説明の通り、注文板(オーダーブック)、AMMプール、またはその組み合わせのいずれか、より有利なレートを提示する経路で約定が行われる。
もっとも、今回のSEC命令はあくまで「取引 venue(取引プラットフォーム)」側の枠組みを定めるものであり、XRP (XRP)、Ripple、およびXRP Ledger自体については、報じられている通り一切言及していない。
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Curley氏「限界も明らか」と指摘
Ondo Financeでグローバル規制戦略を統括するPeter Curley氏は、この特例は実際の株主権をトークン保有者に適切に付与できるカストディ型モデルを優遇する設計になっているとコメントしている。
そのうえで同氏は、自社としては「自動的に何かが承認される」とは見込んでおらず、最終的には、既存の市場インフラよりも「速く、安く、あるいはより利便性の高い」実用的な成果を投資家に提供できるかが問われると述べた。
Four Pillarsでリサーチ責任者を務めるJaewon Kim氏は、今回の命令は「シンセティックな価格連動のみを提供するトークン」は対象外としており、RobinhoodのStock TokensやKrakenのxStocksなど、差金決済型の疑似株式トークンは現行形態のままでは枠組みから外れると指摘する。
SECのPaul Atkins委員長は、この規制緩和はあくまで移行期の措置にすぎず、今後は恒久的かつ持続可能なルール整備が不可欠だとの認識を示している。
XRP相場の動き
XRPは9月24日、24時間で6.91%下落し、暗号資産市場全体が時価総額ベースで2.96%値を消すなか、1.50ドル近辺まで押し戻されたと報じられている。
それでも、1週間で約16%の上昇(1.29ドルから一時1.66ドルまで上昇)という上げ幅の大半は維持している。上昇局面で、日足ベースのRSIは59前後、価格は50日単純移動平均線(SMA)を約16%上回る水準で推移していた。
それでもなお、XRPは過去最高値3.65ドルに比べて約59%下での取引が続いている。

