Bitcoin マイニング企業の Hut 8 は、ルイジアナ州リバーベンドキャンパス向けに Fluidstack と245MWの契約を締結し、これは Google による資金面での支援を受け、Anthropic と結びついたマルチギガワット規模開発の第1段階として位置付けられている、これまでで最大級のAIインフラリース案件となる。
何が起きたのか
15年のトリプルネットリース契約は、全オプションが行使された場合に177億ドル規模へ拡大し得る約70億ドルの評価額となっており、最大で約3,000エーカーまで拡張可能な広大な627エーカーのリバーベンドでの第1開発フェーズを対象としている。
初期のデータホールは2027年第2四半期に稼働開始予定で、その後、年内を通じて追加キャパシティが順次立ち上がる見込みだ。
Fluidstackは、将来フェーズで最大1GWの追加IT負荷に対する優先交渉権も付与される。
この取引はGoogleがアンダーライティングし、J.P.モルガン と ゴールドマン・サックス が資金提供を行う。これは、大手機関投資家とハイパースケーラーが、演算集約型のAI特化インフラをいかに積極的に支援しているかを示している。
なぜ重要なのか
Hut 8は、この契約は電力確保とスケーラブルなコンピュートを軸に設計された「パワーファースト」AIキャンパスを開発するという長期戦略を反映したものだと述べている。
CEOの Asher Genoot は、このプロジェクトを「規律ある忍耐強い実行」の産物と表現し、マルチギガワット規模のAI施設を構築するためには広範なパートナーシップが必要であることを強調した。
J.P.モルガンの投資銀行部門チェアである Noah Wintroub は、リバーベンドを、米国がハイパフォーマンスコンピューティング分野で競争力を維持するために必要なインフラの一例だと評している。
このリース契約が発表された同じ日に、Hut 8はAnthropicおよびFluidstackとの包括的な提携も公表しており、米国内で245MWから2.295GWのAIキャパシティを展開することを目標としている。
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最初の245MWはリバーベンドに設置され、同サイト内で最大1GWまでのオプション拡張が可能とされている。
別途、3社はHut 8の他の開発サイトにおいて、さらに1GWのキャパシティを開発する可能性も検討している。
既にFluidstackおよびGoogle Cloudと複数の数十億ドル規模インフラ契約を結んでいるAnthropicは、大量の電力を確保し大規模建設を行うHut 8の能力が、次世代モデルを支えるうえで極めて重要な協業要素になると述べた。
FluidstackのCEOである Gary Wu は、このパートナーシップは、AI研究やエンタープライズワークロード全般で高専門性のコンピュート需要が高まる中、それに応えるべく設計されたものだと語る。
Hut 8は現在、北米で最大級のAI連動型データセンターパイプラインを掌握している。
マイニングサイト、コロケーション施設、新設AIキャンパスを合わせると、同社は開発の各段階にある約10.6GWのキャパシティを抱えており、ビットコインマイニング以外への多角化を始めてまだ日が浅い企業としては非常に大きなフットプリントだ。
同社は約1GWをすでに稼働させ、さらに1.5GWを建設中であり、加えて約7GWの追加案件を評価中だという。

