Zcash トレーダーは、直近の急落を受けて12月13日に取引所から1700万ドル相当を引き出した。3カ月で700%超の上昇を遂げた相場が一服するなかでも、価格調整局面での蓄積(アキュムレーション)の可能性を示す動きとなっている。プライバシー重視のこの暗号資産は現在、買い手と売り手が重要なサポート水準を試す中で、価格が収れんする「三角持ち合い」パターンの範囲内で推移している。取引所からの流出は、その前日に1426万ドル相当のコインが取引プラットフォームに移動した直後に急増しており、下落局面で現物買いが入った可能性が示唆される。
何が起きたのか:蓄積シグナル
Zcash 価格は先週、レジスタンス(上値抵抗線)に到達した後に持ち合い相場に入り、24時間で約2.5%下落したものの、週間ベースでは20%の上昇を維持している。
12月12日には約1426万ドル規模のスポット流入が発生し、売り圧力の高まりを示していた。だが13日には状況が一変し、およそ1734万ドルの純流出となってコインが取引所から移動した。
10月17日以降にも同様の出来高減少が見られており、その際には買い圧力が一時的に弱まった後、Zcashは300%超の上昇を記録した。
現在も、このサイクルの上昇トレンドを示す上昇トレンドラインは維持されており、チャート上の三角持ち合いは構造的な弱さではなく、市場の迷いを反映していると解釈できる。
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なぜ重要なのか:マーケット構造
一般的に、取引所からの資金流出は短期的な売り圧力を低減させ、上昇相場の天井で売り抜ける動きというよりは、調整局面での蓄積を示すシグナルとなることが多い。
強気トレンドの継続を確認するには、価格が511ドルを明確に上抜ける必要がある。これは現在値から約24%の上昇に相当し、買い手が再び主導権を握ったことを示す水準だ。最初の上値目標は549ドルと733ドル付近で、その上には850ドルと1190ドル付近のより強いレジスタンス帯が控えており、そこを突破するには継続的なモメンタムが求められる。
一方、下方向のリスクは430ドル水準が焦点となる。ここを割り込むと三角持ち合いの形状が崩れ、テクニカルな弱さが意識されやすくなる。391ドル付近には強いサポートが存在するが、市場全体の売り圧力が強まった場合は301ドル近辺までの一段安も想定される。
今回の持ち合いは、直前の3カ月で700%を超える急騰の後に訪れているため、一時的な「小休止」であってトレンド自体は維持されている可能性が高い。
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