スタンダードチャータードとコインベースは、機関投資家向けのデジタル資産ソリューション開発に向けて提携を拡大し、 取引、プライムサービス、カストディ、ステーキング、レンディング商品 などを含むサービスを提供していく。
暗号資産に積極的なこの銀行と米国の取引所は、12月12日に提携強化を発表し、 伝統的な銀行インフラを機関投資家向け暗号資産市場に取り込むうえで大きな一歩となった。
この動きにより、両社は銀行グレードのセキュリティとコンプライアンスの下で、デジタル資産への規制されたアクセスを求める 機関投資家からの需要を取り込む体制を整えることになる。
何が起きたのか
今回の提携拡大は、既にシンガポールで築かれている連携を発展させるものであり、 そこではスタンダードチャータードがバンキング接続を提供し、コインベース顧客に対してシンガポールドルのリアルタイム送金を 可能にしている。
両社は複数のサービスラインにまたがる包括的な機関投資家向けインフラの開発を共同で検討していく。
スタンダードチャータードでグローバル・ヘッド・オブ・ファイナンシング&セキュリティーズ・サービスを務める マーガレット・ハーウッド=ジョーンズ氏は、デジタル資産市場が成熟していくなかで、 同行は「安全で、責任ある、しっかりとガバナンスされた形」で顧客を支援することを目指していると述べた。
「私たちは、両組織がどのように協力し、 最高水準のセキュリティとコンプライアンスを満たす安全で透明性が高く、相互運用可能なソリューションを 模索できるかを探っていきます」 とハーウッド=ジョーンズ氏は語った。
この提携は、コインベースの機関投資家向けの信頼性が高まっているタイミングで行われたものであり、 JPモルガンが最近、コインベースのイーサリアムL2ブロックチェーン「Base」上で JPMコインのデポジットトークンをローンチしたことも その一例だ。
11月のローンチにより、JPモルガンの機関投資家顧客は、ブロックチェーンインフラを用いて 24時間365日ほぼ即時の支払いを実行できるようになった。
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なぜ重要か
スタンダードチャータードのより深い関与は、伝統的銀行業が機関投資家向け暗号資産インフラを受け入れる動きが 加速していることを示している。
同行は、クロスボーダー取引やカストディ機能を活用し、 機関投資家のデジタル資産クライアントにサービスを提供していく。
プライムブローカーサービスは、カストディ、レバレッジ、決済ソリューションを提供し、 伝統的金融インフラを反映させることで、機関投資家の受け入れにとって依然として不可欠な存在だ。
コインベースは、規制された商品と機関投資家との提携を通じて、 伝統的金融とデジタル資産の橋渡しを行うポジションを築いてきた。
JPMモルガンのデポジットトークン統合は、大手銀行がブロックチェーンベースの金融サービス構築のために、 コインベースのインフラ上で積極的に開発を進めていることを示している。
スタンダードチャータードは以前から、コインベースのシンガポール展開を 支援しており、 そこでは同取引所がスタートアップや中小企業を対象とした初の国際事業プラットフォームを立ち上げた。
提携の拡大により、銀行の接続性と暗号資産ネイティブなインフラを大規模に組み合わせることで、 機関投資家によるデジタル資産の採用が一段と加速する可能性がある。
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