ビットコイン (BTC)と米株式市場は、ウラジーミル・プーチン露大統領がカリーニングラード防衛のため「保有するあらゆる兵器」の使用に言及した後も上昇基調を維持した。一方、予測市場のPolymarketでは、年末までにNATOとロシアが軍事衝突に陥る確率が23%まで切り上がっている。
注目ポイント
- プーチン氏のカリーニングラード警告後、S&P500は0.19%高で引け、ビットコインは3%上昇。欧州のSTOXX600は1.3%安と軟調。
- Polymarketは、10月末までのNATO・ロシア直接衝突確率を12%、12月末までを23%と試算。
- Kalshiは戦争・核関連の市場を禁止しており、Polymarketも3月に核爆発コントラクトを取り下げ済み。
プーチン氏のカリーニングラード警告と市場の反応
プーチン氏は木曜、モスクワで開かれたバルダイ会議での発言で、カリーニングラードへの直接攻撃は「ロシアが保有するあらゆる兵器」を使うかどうかという問題を不可避にすると警告した。この発言に先立ち、モスクワは外交文書で、NATOがポーランドとリトアニアに挟まれたバルト海沿岸の飛び地カリーニングラードを封鎖しようとすれば核兵器行使も辞さないと通告している。ただし、プーチン氏はどの兵器かを明示せず、核兵器への直接言及は避けたうえで、ロシア側に欧州諸国を攻撃する計画はないとも述べた。
米株市場はこの日、金利上昇圧力の一服を好感してプラス圏を回復。S&P500は序盤の下げを消し、10年物国債利回りが24年ぶり高値から小反落したこともあって、前日比0.19%高の7,666.45で取引を終えた。暗号資産市場ではビットコインが3%高の約8万6,650ドルまで上昇し、金曜早朝にかけて堅調に推移した。
一方で欧州株は売りに押された。欧州主要株で構成されるSTOXX600は1.3%安と3カ月超ぶりの安値水準を付けたが、クイルター・シェビオットのティム・アーミテージ氏は、この調整を「利上げ長期化観測を織り込む過程」と分析している。原油市場では、中国が燃料輸出を停止したとの報や、米軍部隊の中東増派計画を受けてブレント原油先物が4.37%高の1バレル=102.31ドルまで急伸した。
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Polymarketの確率とルッテ氏の受け止め
予測市場も、地政学リスクの高まりを一定程度織り込みつつある。
Polymarketでは、NATOとロシアの直接的な軍事衝突が2025年10月31日までに起きる確率を12%、12月31日までに起きる確率を23%と織り込んでおり、関連コントラクトの累計出来高は約800万ドルに達している。別の市場では、「今年中にロシアがNATO加盟国に侵攻する確率」が6%、「年末までにロシアが核実験を実施する確率」も6%と見積もられている。CFTC(商品先物取引委員会)の規制下にあるKalshiには、これに相当する市場は存在しない。
NATOのマルク・ルッテ事務総長は9月30日、プーチン氏は同盟を相手に勝ち目がないことを理解していると述べ、今回の脅しについては「それほど真剣には受け止めていない」と語った。
しかし、ある欧州の高官級防衛当局者は、ロシアによる今回のシグナルを「冷戦終結以降、NATOに向けて発せられたなかで最も露骨な核の警告だ」と評し、その深刻さを強調している。
なお、核戦争そのものを対象にした賭けは規制面からも政治的にもハードルが高い。CFTC規制を受けるKalshiは、戦争および核戦争に関する市場を明確に禁止しており、Polymarketも3月、80万ドル超の取引が積み上がっていた「核爆発」コントラクトを世論の反発を受けて自主的に上場廃止した。
アナリストのダスティン・ゴウカー氏は当時、流動性の薄い戦争関連コントラクトは「誤ったシグナル」を市場に与えかねないと警鐘を鳴らしている。実際、PolymarketのNATO関連オッズは足元でも8月初旬の水準と大きく変わっていない。米情報機関が「早ければ今秋にもロシアがNATO加盟国を攻撃しかねない」と警告した直後の8月時点で、衝突コントラクトは22%、侵攻コントラクトは6%まで買い進まれていたが、現在も概ねそのレンジ内にとどまっている。
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