仮想通貨市場の時価総額は7〜9月期に39.6%増と急拡大し、3四半期連続のマイナス成長に終止符を打った。中心となったのはイーサリアム (ETH)で、ビットコイン (BTC)を上回る上昇率を記録した一方、現物ベースの取引量は減少基調が続いている。
注目ポイント
- 7〜9月期に仮想通貨全体の時価総額は8,401億ドル増加し、9月末時点で2兆9,600億ドルに到達。
- イーサリアムは71%高の2,684ドルまで上昇する一方、日次平均売買高は3四半期連続で減少。
- ビットコインはその後、インフレ指標の上振れやアジア株安を背景に8万ドル割れ水準まで軟化。
イーサリアムが反発相場を主導
暗号資産データサイトのCoinGeckoは先週公表した2026年第3四半期レポートで、同期間の仮想通貨市場の時価総額が8,401億ドル増加し、2兆9,600億ドルに達したと指摘した。年初来ではなお4%低いものの、2024年末以来で最良の四半期となった。
牽引役は8月だ。米財務省が長期国債の買い戻し額を少なくとも倍増させる方針を示し、スポット型ビットコインETFへの資金流入が続いたことで、同月だけで時価総額は21.8%(4,898億ドル)増加した。9月15日に上院でCLARITY法案の手続き採決が不成立となったものの、市場の上昇トレンドに大きな水を差すには至らなかった。
イーサリアムは71%高の2,684ドルまで上伸し、主要銘柄の中で最も高いパフォーマンスを示した。米国の現物型イーサリアムファンドには第3四半期に純流入が31億ドル発生し、上期の資金流出を完全に埋め合わせた。ビットコインも42.7%高の8万3,576ドルまで切り返したが、上昇率ではETHに及ばなかった。
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現物は細る一方で、レバレッジは膨張
CoinGeckoのアナリストによれば、第3四半期は「価格の戻りに、参加者の厚みが追いついていない」局面となった。暗号資産全体の日次平均取引高は前期比8.6%減の733億ドルと3期連続で減少。大手中央集権型取引所(CEX)上位10社のスポット取引高も14.2%減の1兆6,500億ドルにとどまった。一方で、レバレッジを伴うデリバティブの動きは対照的だ。
主要無期限先物取引所における建玉(オープン・インタレスト)は40.6%増加し、2025年第3四半期以来初めて1,000億ドルを突破した。取引所別では、Binanceのスポット市場シェアが38.7%から42.7%へ拡大した半面、KuCoinでは建玉が41.2%減少、Deribitでも18.9%減るなど、取引の勢いは一部プラットフォームに偏在しているとレポートは分析している。
ビットコインに「グラスノード・フロア」の兆し
オンチェーン分析会社のGlassnodeは、ビットコインが10月15日前後に8万ドル割れ水準に接近した局面で損失覚悟の売りが急増した点に着目し、過去のパターンからみて局地的な底打ちサインとなり得ると指摘した。同様の現象は8月と9月にも発生しており、その後いずれも短期的な安値形成につながっている。
同社は、米国のスポット型ビットコインETF保有者の平均取得コストがおよそ8万1,500ドルに位置していると推計し、この水準を重要なテクニカル・ラインとみなしている。また、上値のレジスタンス(上昇の上限)として8万8,000ドル近辺を意識すべきだとした。
ビットコインは10月15日、予想を上回るインフレ指標の発表やアジア株安を受けて、一時8万200ドルと月間安値を更新。この日に約10億ドル相当のレバレッジポジションが強制ロスカットとなり、その大半は買い持ちだったとされる。その後は10月18日時点で8万1,000ドル近辺で推移しており、2025年10月に付けた約12万6,200ドルの過去最高値からは約35%下方に位置している。スポット型ビットコインETFは10月前半だけで約6億1,700万ドルの純流出を計上しており、機関投資家マネーの一部が様子見に転じている格好だ。

