ビットコイン (BTC) はここ数日かなり静かな値動きが続いており、こうした相場は退屈に感じられるかもしれません。とはいえ、いくつか重要な水準は引き続き注視しています。日足チャートでは50日EMAを割り込んでいますが、週足チャートでは50週EMAをまだ維持しています。この違いは大きく、強気目線そのものは変えていない理由でもあります。ただし、もう一段の下落があってもおかしくないとは見ています。
日足チャート:7万5,000ドル方向への動きも排除しない
日足チャートを見ると、ビットコインは約8万ドルで推移しており、50日EMAを下抜けています。これにより、7万7,000ドル方向へのもう一段の下落余地が開かれたと考えています。流動性を取りに行く動きとして、7万5,000ドル近辺、あるいは一時的にその水準を下回る「スイープ」が入ってから反発する展開もあり得ます。必ずそうなると言っているわけではありませんが、あらかじめ想定しているシナリオの一つであり、一時的にサポートを割り込んだからといって、それだけで新たな弱気相場入りとは見なしません。

図1. BTC/USD 日足チャート — TradingView, Coinbase。チャートは筆者提供。
週足チャート:今いちばん重視しているポイント
次に週足チャートにズームアウトしてみると、景色は少し違って見えます。ビットコインはまだ50週EMAを割り込んでいません。現時点で私が最も注目しているのはこの水準です。週足の終値ベースでこのラインを下回らない限り、強気シナリオが継続する余地は十分あると考えています。反対に、もし50週EMAを明確に下抜けてクローズするようなら、何も変わっていないふりをするのではなく、相場の前提自体を見直す必要があるでしょう。

図2. BTC/USD 週足チャート — TradingView, Coinbase。チャートは筆者提供。
ETFフローはまちまち、市場はFRBを様子見
相場が停滞している一因は、米国の現物ビットコインETFに継続的な買い・売りのどちらもはっきり入っていないことです。フローは日によってプラスにもマイナスにも振れています。ここで示している数字では、10月21日には5億2,480万ドルの純流入があった一方で、22日には6億3,560万ドルの流出、続く23日にも1億3,790万ドルの流出が記録されています。これは、現時点でどちらの方向にも強い確信を持った市場とは言い難い状況だと考えています。
もう一つ重要な日付が、10月28日の**連邦準備制度理事会(FRB)**による政策金利の発表です。多くのトレーダーが、大きなポジションを取る前にその結果を見極めようとしているように思えます。この決定前後にはボラティリティが高まる可能性がありますが、市場の反応が出る前に、それを先読みしてポジションを取ろうとするつもりはありません。

図3. 米国スポットビットコインETFの純フロー(百万ドル)、2026年10月23日まで。データ画面は筆者提供。
11月に向けて注目している水準:9万〜9万2,000ドル
向こう数週間のイメージは次の通りです。まず、7万7,000ドル方向へのもう一段の押し、あるいは7万5,000ドル近辺での流動性スイープが入っても不思議ではありません。その後、ビットコインに買いが入り、8万5,000〜8万7,000ドルのレジスタンス帯を上抜けることができれば、次のターゲットは向こう1カ月ほどで9万〜9万2,000ドルになります。単なる一瞬の上ヒゲではなく、明確なブレイクと買い手の追随が入ることを確認したいところです。
まとめ
ここ最近のビットコインは確かに退屈な値動きかもしれません。しかし、それが大きなチャンスの消失を意味するとは考えていません。失ったのは日足の50日EMAであり、週足の50週EMAではありません。この違いが、依然として全体的には強気寄りで見ている理由です。想定しているのは、(1)最後の一押しとなる下方向スイープの可能性、(2)50週EMAに対する週足クローズの位置関係、そして(3)8万5,000〜8万7,000ドルのレジスタンスを明確に上抜ける動きです。これらの条件がそろうなら、11月のターゲットとして9万〜9万2,000ドルという見立ては有効なままだと考えます。一方で、週足の構造が崩れるようであれば、その時は相場観を素直に変更します。
この記事は筆者による市場分析であり、情報提供のみを目的としたものです。投資助言ではありません。

