イーサリアム (ETH) 先物のレバレッジは今週、暗号資産取引所バイナンス(Binance)で推定0.65前後を維持した。同時期に、カナダの資産運用会社Purpose Investmentsが4万2,000ETHを長期ステーキングに振り向けている。
注目ポイント
- バイナンスにおけるETHの推定レバレッジ比率は0.65近辺で推移し、資金調達率(ファンディングレート)はおおむね中立圏。
- Purpose Investmentsは約8,000万ドル相当の4万2,000ETHをビーコンチェーンのデポジットコントラクトに預け入れ。
- イーサリアム財団の助成金でファンドされたウォレットは、578.38ETHを新設のマルチシグウォレットに移管。
バイナンスのレバレッジ比率、3月高値を下回る水準で横ばい
オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuantのデータによると、バイナンスにおけるETHの推定レバレッジ比率は8月5日時点で0.65近辺に位置し、同取引所の資金調達率はゼロ付近で推移していた。出典
この比率は、デリバティブ市場の建玉(オープン・インタレスト)を、取引所が保有するETH残高で割った指標だ。数値が高いほど、比較的薄い現物担保に対して大きな先物ポジションが積み上がっていることを意味する。
一方、資金調達率がほぼゼロということは、ロング・ショートいずれの側も建玉維持のために大きなプレミアムを支払っていないことを示す。方向性の偏りが乏しいままレバレッジだけが積み上がっており、一方的に踏み上げられる「負け組」が明確ではない、両建て過多の状態といえる。
現物のETH価格は約1,870ドル近辺で6営業日連続でもみ合い。上値は約1,920ドルの100日単純移動平均線がレジスタンスとなり、下値は繰り返し下落を止めてきた1,850ドル近辺のサポートが下支えしている。日足のRSIは52前後と中立圏にあり、出来高も6月の急落局面と比べて細っている。モメンタムは方向感に欠ける中庸水準だ。
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Purpose Investments、4万2,000ETHをステーキング
トロント拠点でカナダ最大の暗号資産ETF運用会社であるPurpose Investmentsは、約8,000万ドル相当の4万2,000ETHを、3時間ほどの短時間でビーコンチェーンのデポジットコントラクトにステーキングした。同社が保有する11万4,900ETHのうち、36.6%を占める規模だ。
ステーキングに回されたコインはバリデータとしてロックされ、短期的には売却に回すことができない。一方で、レバレッジ先物ポジションは数秒単位で巻き戻しが可能だ。同じETHという原資産を巡りながら、極端に異なる投資タイムホライズンのフローが同時進行している構図であり、相場が逆行した際に追証(マージンコール)に応じられるのは後者のみという非対称性も浮き彫りになっている。
イーサリアム財団助成金ウォレット、マルチシグに資産移管
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)による助成金で資金提供を受けたとみられるウォレットが、578.38ETH(約108万ドル)を新たに作成されたGnosis Safeマルチシグウォレットへ移転し、あわせてごく少額の2.675ETHを暗号資産取引所Krakenへ送金した。
マルチシグへの移管は、一般的に売却準備ではなく内部の財務管理・セキュリティ強化目的とみなされることが多い。実際、取引所送りとなった分は約5,070ドル相当にとどまっている。
バイナンスのETHレバレッジ比率は2026年を通じて一方向に積み上がるのではなく、大きく上下動を繰り返しており、現状の水準だけをもって極端なリスク状態と断じることは難しい。
同指標は3月に0.751近辺まで急伸し、市場全体で清算リスクが大きく高まっているとの見方が台頭した。その後は5月初旬にかけておよそ0.57まで低下し、足元では再び切り返してきた格好だ。今年のレンジ内に収まる現在の0.65近辺は、歴史的な過熱圏からは一歩手前とも評価できる。
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