アップル株は中国当局が「Apple Intelligence」を承認したことを受け、16日の取引で一時331ドルと過去最高値を更新した。投資家の間では、端末内で動作する新たなAI機能への期待と、依然として高いバリュエーションとのバランスを見極める動きが広がっている。
主なポイント
- AAPLは水曜の取引で約5%上昇し、一時331ドルに到達。
- 中国は国内パートナーと組んだ「Apple Intelligence」の現地利用を承認。
- 主要投資銀行は、7〜9月期(第3四半期)決算を前に相次ぎ目標株価を引き上げ。
アップルAI関連の追い風
AAPLは水曜終値ベースで約327ドルと、連日の高値更新基調を継続。年初来(2026年)騰落率は29.49%高、直近30日間でも約1割上昇している。
この上昇により、アップルはダウ平均構成銘柄の中でも有数の値上がり銘柄となっている。
中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は「Apple Intelligence」を国内向けに登録し、アリババや**バイドゥ(百度)**がローカル向けAIモデルや関連技術を提供する見通しだ。iPhoneを含むアップル製デバイス上で、中国市場向けの生成AI体験を実現する狙いがある。
投資家が注目しているのは、アップルがスタートアップのPrismMLと進める協議だ。同社は大規模言語モデル(LLM)を圧縮し、クラウドへの依存度を抑えながらiPhone上で直接動かす技術を開発しているとされる。これにより、レイテンシー(遅延)やプライバシー、クラウドコストの面で競争力が高まるとの見方が出ている。
報道では、4〜6月期の世界スマートフォン市場でアップルのシェアが2割に達したことや、サービス部門の売上高が300億ドル超に上ったことも紹介された。こうした数字は事業全体の底堅さを印象付け、株価上昇に拍車をかけた。
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シティによるAAPL目標株価
シティグループはAAPLの年末目標株価を315ドルから365ドルへ引き上げ、投資判断「買い」を継続した。レポートでは、一部製品の価格引き上げによって、需要を大きく損なうことなく利益率を確保できると指摘している。
シティは「アップルは選択的な値上げによってマージン圧力を相殺できるとみている。プレミアムブランドとしての地位と高いロイヤルティを持つ顧客基盤が、需要の落ち込みを限定的なものにとどめるだろう」と分析した。
JPモルガンも目標株価を345ドルに引き上げ、モルガン・スタンレーも360ドルへと引き上げた。ただ、短期間での急騰により、7〜9月期決算(7月下旬発表予定)が市場予想を下回った場合には利益確定売りが強まるリスクも指摘されている。
米国のインフレ鈍化も、高バリュエーションのテクノロジー株を支える要因となっている。物価指標が落ち着いたことで、2026年残りの期間に追加利上げが行われるとの見方が後退したためだ。金利が安定もしくは低下すると見込まれる局面では、将来の企業収益がより高く評価されやすい。
アップル株の最高値更新は、投資家心理の急速な転換を映し出している。およそ1カ月前までは、同社が各種製品で実施した値上げに対し、市場から「次の買い替えサイクルで需要を冷やしかねない」との懸念が相次いでいた。
その後、中国でのAI承認や端末内AIの成長期待が前面に出る形となり、投資家の関心は再び売上成長にシフト。これが直近30日間の株価上昇を牽引した格好だ。
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