Bittensorで最も強力なビルダーが離反、「すべて嘘だ」とネットワークを非難

Bittensorで最も強力なビルダーが離反、「すべて嘘だ」とネットワークを非難

史上最大の分散型AIモデルを構築したチームが、その実現の場となったネットワークから離脱した。しかも静かに去ったわけではない。

Covenant AIの創業者であるSam Dareは金曜日、公開の退出レターを発表し、BittensorTAO)の共同創業者であるJacob Steevesが、見かけだけ分散化されたネットワークを運営していると非難した。

その後Covenant AIは、オープンマーケットで3万7,000TAOトークン(約1,020万ドル相当)を売却した。CoinMarketCapのデータによると、TAO価格は20%超下落し、1,000万ドル超のロングポジションが清算された。

「これは分散化の茶番劇だ」とDareは記し、この文言はUnchained Cryptoによって報じられた。

Steevesが一方的にCovenant AIのサブネットへのエミッションを停止し、チームの収入を断ち、内部対立のさなかにトークン売却を仕掛けて財務的な圧力をかけた──というのが非難の内容だ。

この離脱劇が起きたのは、Covenant AIが大きな快挙を達成してからわずか31日後のことだった。同社は世界各地に分散した70台超の独立したコンピュータ上で、720億パラメータのAIモデルをトレーニング。中央集権的なデータセンターも機関投資家の支援も一切持たない形で実現した。

Bittensorとは何か、そして業界が注目していた理由

GoogleエンジニアのJacob Steevesが2019年に立ち上げたBittensorは、人工知能のオープンなマーケットを構築することを目的としたブロックチェーンネットワークだ。

その仕組みはBitcoinをなぞっている。暗号パズルを解くマイナーに報酬を支払う代わりに、BittensorはAIモデルを生成・改善する貢献者に報酬を与える。バリデーターがその成果の品質を評価する。両者はネットワークのネイティブトークンであるTAOで報酬を受け取る。

ネットワークは「サブネット」と呼ばれる仕組みで動いている。これはそれぞれ特定のAIタスク(テキスト生成からディープフェイク検知まで)に特化したミニマーケットだ。2026年4月時点で、Bittensorは128のアクティブなサブネットを運用している。

Grayscaleは、保有するBittensor資産をスポットETFに転換するため、米証券取引委員会に申請している。ネットワークの時価総額は約35億ドルに達している。

Bittensorの訴求点は単純だ。現在、最先端のAIはほぼすべて、OpenAI、Google DeepMindAnthropicMetaといった少数の大企業によって開発・支配されている。

Bittensorの主張は、AIをこのように集中させることは、独占リスクと検閲リスクを生むというものだ。AI開発をパブリックブロックチェーン上に構築することで、AIをオープンなコモディティに変えることを目指している。

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Bittensorを有名にしたマイルストーン

2026年3月10日、Covenant AIはBittensorのサブネット3を通じて、720億パラメータの言語モデル「Covenant-72B」のトレーニングを完了した。このトレーニングは、世界中の70超の独立ノードに分散して行われ、ホワイトリストはなく、十分なハードウェアを持つ者なら誰でも参加できた。重みとチェックポイントはApacheライセンスの下で公開された。

MMLUベンチマークのゼロショットテストでは、Covenant-72Bはスコア67.1を記録し、MetaのLLaMA-2-70BやLLM360 K2を上回った。

NvidiaのCEOであるJensen Huangは、この成果を公に称賛した。投資家のChamath Palihapitiyaは「画期的」と評価した。TAOは3月を通じて約90%上昇した。

アナリストたちは、この出来事をオープンソースAIにおけるDeepSeekのブレイクスルーに匹敵するものだと比較した。

この結果は、大規模言語モデルのトレーニングが企業のデータセンターの外でも、分散型・許可不要・オープンな形で実施可能であることを示す初の説得力ある証拠となった。

暗号×AIセクターが無視できないガバナンス危機

Dareの退出レターは、個人的な不満にとどまらない内容だった。Bittensorの「三頭政治」的ガバナンスモデル──形式上はOpentensor Foundationの3人の共同メンバーが対等、とされる体制──が、実質的には一人に支配されているという具体的な構造的批判が含まれていた。

退出レターと同日に立ち上げられた「Tao Papers」と呼ばれるサイトは、オンチェーン分析を公開した。それによると2023年から2026年の間に行われた41件のBittensorネットワークアップグレードのうち、38件がSteevesの管理するインフラから提案・第一署名・デプロイされていたという。

残る2人のマルチシグ署名者は、公開された議論の記録もないまま、数分以内に共同署名していた。

Bittensorのガバナンスはどう設計されているか

公式には、Opentensor Foundationの3人による「三頭政治」がアップグレードを提案し、その後、最も多くステーキングしている12人のバリデーターから成る「上院」が提案に投票する仕組みだ。だがCovenant AIを含む批判者は、実際の意思決定権は創業者の手を実質的に離れたことが一度もないと主張する。

PANewsは問題を個別事案ではなく構造的なものと評した。「少数者が重要なパーミッションに対して拒否権を保持しつつ、そのシステムを『パーミッションレス』と称する時点で、問題の種はまかれている」。分析はさらに、分散化という前提が偽であると証明された瞬間、その前提に基づいて構築したすべての参加者に経済的損失が波及すると指摘した。

機関投資家にとって、GrayscaleのTAO ETF現物申請は2026年4月12日時点で依然として有効であり、このガバナンス問題は重大なリスク要因だ。

どの分散型AIネットワークにとっても、投資ストーリーは「単独のアクターが一方的にルールを変えられない」という前提に依存している。支配の集中を示す証拠は、その前提を正面から揺るがす。

Covenant AIは、Bittensorの外側で分散型AIインフラの構築を続けると表明している。

コモディティハードウェアを用い、中央コーディネーター不在で720億パラメータモデルをトレーニングできるという技術的証明は残った。しかしガバナンスに関する問いには、いまだ答えが出ていない。

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