仮想通貨トレーダーは、11月21日に20億ドル規模の清算が発生したにもかかわらずポジションを維持した。これは、同様のイベントが大量の一斉撤退を引き起こしたこれまでのパターンからの変化を示している。
Coinglass のデータによると、ビットコイン(BTC)が9万2,000ドルから8万1,050ドルへ急落したことで、39万1,000人のトレーダーがポジションを失った。
清算額のうちロングポジションが17億8,000万ドルを占め、ショートはわずか1億2,900万ドルだった。
清算額の内訳は、ビットコインが9億6,000万ドルで最大となり、次いでイーサリアム(ETH)が4億300万ドル、ソラナ(SOL)が1億ドルとなった。
何が起きたのか
仮想通貨 Fear & Greed Index(恐怖・強欲指数)は11まで低下し、2022年11月のFTX破綻時以来となる極度の恐怖水準に並んだ。
ビットコインETFは11月に37億9,000万ドルの資金流出を記録し、過去最高だった2月の記録を上回った。
しかし、未決済建玉(オープンインタレスト)のデータを見ると、デリバティブトレーダーの行動に大きな変化が見られる。
分析によると、合算されたパーペチュアルと先物のオープンインタレストは、最初の清算波が起きた際、10月末のピークから17%減少した。
この最初のデレバレッジの後は、価格変動が続いたにもかかわらずオープンインタレストの減少は止まり、11月を通じて横ばい推移となった。
これは、10月10日の市場急落時の動きとは対照的だ。その際には、ビットコインが12万4,670ドルから11万0,780ドルへ下落する中で、オープンインタレストは37%も急減していた。
Leverage.Trading のレポートのデータによると、トレーダーは変動の中で、マージンコールの水準、清算価格、資金調達コストをこれまで以上に注意深く確認するようになっている。
このパターンは、参加者がポジションを完全に手仕舞いするのではなく、エクスポージャーを再調整していることを示唆する。
資金調達レートは、10月末まで続いていた一貫したプラス水準から、清算連鎖によるデレバレッジを経て落ち着きを見せた。
レートがマイナスに転じたことで、残ったトレーダーにとってはポジションを維持するコストが低下した。
関連記事: Vitalik Buterin Says Prediction Markets Beat Social Media For Truth-Seeking
なぜ重要なのか
11月の清算イベントは、仮想通貨デリバティブ市場の成熟を物語っている。
大規模な清算が発生しても、レバレッジポジションからの一斉撤退が自動的に起こるわけではなくなってきた。
その代わりに、トレーダーはボラティリティを許容しつつ証拠金水準を調整し、反射的にポジションを手仕舞いするのを避けているように見える。
ストレス局面での慎重なリスク管理へのシフトは、反応的なトレードが支配していたこれまでのサイクルからの転換点だ。
市場関係者は、レバレッジの利用自体は依然として広範に行われているものの、そのアプローチがより慎重で洗練されてきている証拠だと受け止めている。
次に読む: Tether Builds AI Wallet With On-Device Processing For Bitcoin, USDT, XAUT

