グーグルは、クラウド受注残が4,600億ドルに膨らむなかでも、メタが求める計算資源を供給しきれず、3月ごろからメタのGemini AIモデルへのアクセスを制限した。
重要ポイント:
- グーグルは3月ごろ、メタに対し、希望するジェミニのフルキャパシティーを供給できないと伝えた。
- 不足により、メタ社内の複数のAIプロジェクトが遅延し、スタッフはAIトークンを配給制のように節約して使うことになった。
- グーグルクラウドの受注残はほぼ倍増し4,600億ドルに達し、需要が供給を上回っていることを示している。
グーグル、ジェミニ供給を配給制に
交渉状況に詳しい3人の関係者の証言によれば、グーグルは3月ごろ、メタが購入を望んでいたジェミニのキャパシティーを完全には提供できないと伝えたという。この制限により、メタ社内のいくつかのAIプロジェクトが混乱し、その一部はコーディング、広告ツール、FacebookおよびInstagramのコンテンツモデレーションに関わっていた。マネージャーたちはエンジニアに対し、モデル利用量を測る単位であるAIトークンを、より慎重に節約して使うよう指示した。
他のグーグル顧客もこの制約の影響を感じたが、メタの需要がほとんどの顧客を大きく上回っていたため、最も大きな打撃を受けたのはメタだった。グーグルとメタはいずれも契約条件へのコメントを控えた。
5月になると、グーグルはこの制限を正式なものとし、ジェミニ関連アプリ全体に利用上限を課した。現在は、顧客がいくら支払う意思を持っているかではなく、利用可能なキャパシティーに応じてアクセスがスケーリングされる。この一つの変更が、クラウドAIに関する基本的な前提を組み替えてしまった。
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ピチャイ氏、計算資源不足を警告
グーグルは需要不足どころか、需要に「溺れて」いる状態であり、だからこそ上限設定が一見すると逆説的に見える。クラウド部門の売上高は四半期で初めて200億ドルを突破し、前年同期比で約63%増加した。
最高経営責任者のスンダー・ピチャイ氏は決算説明会でこの逼迫状況を認め、同社が「短期的には計算資源に制約を受けている」と発言した。外部のAIプラットフォームの上に事業を築くあらゆる企業にとって、このメッセージは重い意味を持つ。価格にかかわらず、署名済みのエンタープライズ契約であっても、企業が計画の前提とする計算資源が保証されるとは限らなくなったのだ。
メタは、詐欺行為や有害投稿の除去において、自社のLlamaモデルよりも優れていたためジェミニに依存していた。しかし上限設定を受けて、同社は人員を数千人規模で削減しつつ、今年だけで最大1,350億ドルをAIに投じるなか、初の社内モデル「Muse Spark」への舵切りを加速させた。
グーグル自身が置かれている状況も深刻だ。
同社は約11万基のNvidia GPUを確保するため、スペースXに月約9億2,000万ドルを支払う契約を結んでおり、このつなぎ対策は複数のメディアによって確認されている。コミットされた需要1ドルあたり、同社が新規キャパシティーに投じているのは約40セントにとどまっており、その結果、ギャップは縮まるどころか広がり続けている。





