米IBMの株価が7月14日(火)の米時間外取引で前日終値比20%超急落し、同社株としては数十年で最悪の取引日となる公算が大きくなっている。第2四半期(4~6月期)の売上高見通しが市場予想を大きく下回るとの「収益警告」を出したことが嫌気された。
- IBMは第2四半期の売上高を172億ドル、調整後1株利益(EPS)を2.93ドルと予想し、いずれもアナリスト予想を下回る見通しを示した。
- 単日の下落率としては、1987年10月の23%安を超え、1961年以降で最悪となる可能性がある。
- アービンド・クリシュナCEOは、顧客の支出が期末にかけてサーバー、ストレージ、メモリーチップなどハードウェア寄りに急速にシフトしたと説明した。
売上高警告の詳細
IBMは6月期決算についての速報で、売上高が前年同期比約1%増にとどまり、FactSet集計によるアナリスト予想の178.6億ドルを大きく下回る見通しだと発表した。調整後EPSは2.93ドルと見込まれ、市場コンセンサスの3.01ドルに届かない。
内容を見ると、四半期の業績はセグメント間でばらつきが目立つ。
同社は今春にメインフレーム新機種「z17」を投入し、インフラ関連の売上高は年間を通じて「一桁台前半の減少」にとどまるとのシナリオを描いていた。しかし、Zシリーズ本体と関連ソフトの落ち込みは想定以上に深く、とりわけトランザクション処理関連ビジネスに打撃となった。
ソフトウェア売上高は5%増と堅調だった一方、インフラ売上高は7%減、コンサルティングは横ばい圏にとどまった。クリシュナCEOは投資家向け書簡の中で、顧客企業が6月末にかけ、供給制約と値上げ観測を背景に、サーバー、ストレージ、メモリーなどハードウェアを前倒しで確保するべく設備投資枠を振り向けたと説明した。
さらに同氏は、四半期を通じてサイバーセキュリティ不安が業界全体で高まり、顧客の意思決定を遅らせる一因になったとも指摘している。
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歴史的な売りにアナリストは警戒感
ストラテジストのマイク・ザッカルディ氏は、IBM株が1961年までさかのぼる記録の中で最悪となる下げに向かっていると指摘した。時間外の株価は225ドル近辺と、前日終値290.23ドルから約65ドルも値を消している。
影響は周辺銘柄にも波及している。
ServiceNow、Salesforce、Accenture、Cognizantなど大手ソフトウェア・コンサルティング関連株も、需要見通しの見直しを迫られた投資家の売りで時間外に下落した。
一部アナリストは、今回の事態を「AI向けコンピューティングハードウェアへの大型投資が、ソフトウェアやサービスへの予算を食っている」ことを示す新たな証左と解釈している。
クリシュナCEOもこの見立てを事実上認め、「現在の市場環境では、我々の各チームが完璧な執行を求められるが、この四半期はそれを達成できなかった」と率直に述べた。
今回の警告は、115年の歴史を持つIBMにとって好調が続いていた流れに冷や水を浴びせる格好だ。同社は第1四半期にソフトウェア売上高が11.3%増と伸長したことなどから、売上高全体を前年同期比約9%増の159億ドルまで伸ばしていた。株価も直近3カ月で21%上昇していたが、今回の急落でその上昇分が寄り付き前の段階でほぼ帳消しになっている。





