分散型金融(DeFi)のレンディング市場では、インセンティブプログラムが借入の経済性を再構築したことで、借入金利のマイナス化と年末の急激なデレバレッジが発生した。
MorphoプロトコルのKatanaチェーンでは、2025年1月初旬にvbETHで実質マイナス1.5%、vbWBTCでマイナス1.15%という借入金利が提供された。
KaminoのUSDC Primeボールトでは、約7,500万ドル相当のレバレッジ解消が発生するなか、12月31日に供給APYが6.5%から4%未満へ急落した。
何が起きたのか
Morphoのクロスチェーン型レンディング市場では、イーサリアムメインネットと代替チェーンとの間で借入コストに大きな乖離が生じ、メインネットの金利が大幅に高い水準となった。
Katanaの借入市場はKATトークン報酬によるインセンティブが継続しているものの、現時点ではトークンに十分な流動性や取引可能性がない。
Bitgetによる12月末のOn-Chain Earnローンチを受け、Arbitrum上のSyrupUSDC/USDT市場へ流動性が流入し、メインネットで約4%だった金利が約1.1%まで圧縮された。
Kaminoで12月31日に生じた金利圧縮は、年末の税務カレンダーリセットを前に、ポートフォリオのリバランスとレバレッジ縮小を促す動きが強まったことを反映している。
KaminoのUSDC Primeボールトでは、カレンダーリセット前にポジションがクローズされた結果、数時間のうちに利用率が約13%低下した。
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なぜ重要なのか
こうした動きは、プロトコルインセンティブにより従来のレンディング経済が反転し、借り手が利息を支払うどころかネットで受け取る側になる構図を浮き彫りにした。
年末のAPYの攪乱は、市場のファンダメンタルズではなく、税務最適化に起因する季節的なパターンが予測可能な形で現れていることを示している。
レバレッジは年末のリバランス後、例年1月初旬に再び積み上がる傾向があり、その移行期間には一時的に安い借入コストという機会が生じやすい。
チェーン間での金利乖離は、流動性の分断と、個別のインセンティブプログラムが借入コストに与える影響の大きさを強調している。
もっとも、マイナス金利の持続可能性は、有機的な市場需給ではなく、プロトコルによる補助金が今後も継続するかどうかに全面的に依存している。
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