イーロン・マスク氏が手がける「Grok」が、9月の1週間に**コインベース(Coinbase)**上で発生したAIエージェントによる取引金額の約6割を占めた。一方、OpenAIの「ChatGPT」のシェアは1.54%にとどまったことが、取引所のデータで示された。
主なポイント
- 9月14~21日の集計期間におけるAIエージェント取引金額の内訳で、Grokは59.54%を占有。これに対し、Claudeは13.37%、ChatGPTは1.54%。
- ブライアン・アームストロングCEOは9月25日、Grokを「エージェント型トレーダーにとってのリーディングクライアント」と表現。
- コインベースは、AIエージェント全体のドル建て取引規模や、実際に売買された銘柄の詳細については開示していない。
Grokのコインベース取引シェア
この内訳は、コインベースの開発者アカウントが**X(旧Twitter)**上に投稿したもので、9月14~21日にコインベース上で実行された「Agents」向け注文を、バックエンドで接続されているAIクライアントごとに名目取引金額ベースで分解した。
Grokは59.54%とトップで、カスタムのコマンドライン環境が21.73%、Anthropicの「Claude」が13.37%で続いた。検索特化型のPerplexityは3.48%を占めている。
9月25日、コインベースのブライアン・アームストロングCEOはこの投稿に反応し、「Grokは現時点で、コインベースにおけるエージェント型トレーダー向けのリーディングクライアントだ」と書き込んだ。GrokをXにネイティブ統合しているマスク氏は、暗号資産トレーダーが多く集まる同SNS上で、その投稿に対し「Cool(クール)」とだけ返信している。
なお、このチャートはあくまで1週間分のデータであり、「ユーザー数」ではなく「ドル建て取引金額」をベースに集計されている点に留意が必要だ。
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キャシー・ウッド氏とアームストロング氏の見解
ARK InvestのCEO、キャシー・ウッド氏は9月30日、ヒューストンで開催されたRobinhood主催のサミットでのパネルディスカッションで、投資家は「AIエージェントがどこにお金を使っているのか」に注目する必要があるとの見方を示した。ウッド氏はこの場で、「今後は“エージェントを追え(follow the agents)”という話題がますます増えていくはずだ」と語った。
アームストロング氏も9月25日、暗号資産とステーブルコインがAIエージェントにとって「事実上の標準的な決済レール」になっていくとの見通しを示している。
もっとも、今回のランキングは「シェア」を示すもので、「市場規模」を直接表しているわけではない。コインベースは、AIエージェントによる総ドル建て取引金額や、エージェントが購入・売却した具体的な銘柄については開示していない。
同社が明かしている近い数字としては、自社開発のエージェント向け決済プロトコル「x402」に関するものがある。x402は稼働開始から約1年強で、2億3,000万件超のトランザクションと5,400万ドル超の決済処理を行ったという。
「Coinbase for Agents」の展開状況
コインベースによると、「Coinbase for Agents」のセットアップは最短3クリックで完了する。GrokとPerplexityのユーザーは、プラグインもしくはコネクタタブから取引所を発見できる一方、ChatGPTとClaudeのユーザーは「Model Context Protocol(MCP)」経由で接続する仕組みだ。
コインベースの開発者向けドキュメントによれば、Claudeはオーダーを発注する前にチャット上でユーザーに確認を求める設計となっているが、ChatGPTは1ターンで注文を生成する仕様になっている。
「Coinbase for Agents」は6月11日にローンチされ、AIアシスタントがユーザーの口座から暗号資産のスポットおよびデリバティブ取引を実行できるようになった。さらに同取引所は9月22日、米国株と上場投資信託(ETF)の取引にも対応範囲を広げている。
Grokのシェアは、9月初旬のネイティブ統合の稼働開始後、3週分のスナップショットの中で15.3%から59.5%へと大きく伸びたと報告されている。
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