ビットコイン (BTC) は米時間帯に7万8,000ドル台を回復した。米・イラン間の新たな外交観測が浮上したものの、イラン側が ドナルド・トランプ 前大統領による「早期合意」発言を一蹴するなど、地政学リスクはなおくすぶっている。
主なポイント
- ビットコインは過去24時間で一時7万6,367ドルまで売られた後、7万8,940ドルの高値まで急反発。
- トランプ氏は「イランは早期合意を熱望している」と主張したが、イラン国営メディアがこれを否定。
- 原油は100ドル超で推移し、インフレ期待とリスク資産市場への圧力が継続。
ビットコイン市場が急反発
ビットコインは、トランプ氏の対イラン発言と、地域紛争拡大懸念という相反する材料を織り込む形で、反発した。
トランプ氏は自身のSNS「Truth Social」への投稿で、イランは「可能な限り早く、そして必死に合意を望んでいる」と主張。一方で、バイデン政権は交渉の扉は開いているとの姿勢を崩していない。
米株式市場も、前場の大幅安から持ち直した。報道によると、時価総額ベースでいったん6,000億ドル超が吹き飛んだ後、約5,700億ドルがわずか3時間で市場に戻ったとされる。ビットコインもこうしたリスク選好の改善に歩調を合わせる形で切り返し、下落分の多くを取り戻した。
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デレク・タン氏の見方
その後、イラン国営メディアは、テヘランが「迅速な合意」を求めているとのトランプ氏の主張を改めて否定した。市場情報会社 LiveSquawk によれば、イランの通信社 ILNA は、米国がパキスタンの仲介を通じ段階的な合意を模索していると伝えたものの、最終合意に達したとの情報はないという。
この応酬が重みを増すのは、エネルギー市場がなお地域紛争の拡大リスクにさらされているためだ。米国産原油は1バレル=103ドル前後、北海ブレントは108ドル近辺と高止まりしている。オマーンはホルムズ海峡を巡る地域協議の延期を決定。イランが支援するフーシ派勢力の戦闘激化で、紅海の海上輸送ルートへの圧力も増している。
マクロ分析会社 MPA Macro のアナリスト、デレク・タン 氏は、トレーダーの間で「イラン戦争」が市場の想定より長期化するリスクを織り込み始めていると指摘。エネルギー価格の重石が長引けば、インフレ圧力と金融引き締め観測を強め、ビットコインのような投機色の強い資産に逆風となりやすいとの見方を示した。
ビットコインはすでに、地政学やマクロ経済を巡るヘッドラインで短期センチメントが急変し得ることを実証している。同一セッション内で一時7万6,367ドルまで急落した後、7万9,000ドル近辺まで急反発するなど、値動きは荒い。
8月末には6万ドル近辺まで下げた場面から切り返しているものの、2025年10月に付けた12万6,000ドル超の過去最高値とは、なお大きなギャップが残る。

