- 2025年11月の開発者向けリリースを経て、「Aqua」が本日一般公開。DeFiの従来型プールモデルに対する、リスク管理重視の代替手段を提示。
- 1inchはMerklを活用したAqua向けリクイディティインセンティブを開始。1inch Foundationが1INCHトークン1,000万枚、1inch DAOが50万USDCを拠出。
- Aquaは初日から13のEVMチェーンで稼働開始。
英領バージン諸島ロードタウン発、2026年7月28日 /PRNewswire/ -- DeFiエコシステム大手の1inchは、セルフカストディ型の共有リクイディティレイヤー「Aqua」の一般公開を発表した。Aquaは、リクイディティプロバイダー(LP)が資産をプールにロックすることなく、同一ウォレット残高を複数ポジションで横断的に活用できる仕組みを提供する。

2025年11月の開発者向けローンチを経て、Aquaは現在、DeFiの伝統的なプール型モデルに代わる、リスクコントロールを重視した有力なオプションとなりつつある。これにより、より高い資本効率でのリクイディティ提供が可能になる。
Aquaは「レジストリ」として機能する。ユーザーはウォレットを接続し、特定トークン残高の使用を承認した上で、その残高にアクセスできるリクイディティポジションを作成する。Aquaプロトコルはその残高をトラッキングし、ポジション条件を満たすスワップ注文を受けると、要求されたトークンをウォレットから引き出し、受け取ったトークンと手数料を単一のアトミックトランザクションで送り返す。それ以外のタイミングでは、ユーザーのトークンは常にウォレット内にあり、完全にユーザーの管理下にとどまる。
「リクイディティ提供の現状はすでに破綻していますが、代替案が現れて初めて、その歪さがはっきり見えてきます。今日、その代替案が整いました。Aquaによって、LPは長年甘受してきた非効率なプール構造に、もはや縛られる必要がなくなります」と1inch共同創業者のSergej Kunz氏は語る。「DeFiに必要なのは、単に“量としての流動性”ではありません。需要が立ち上がる場所で機動的に働く『使える流動性』です。Aquaは、カストディを手放すことなく、そのリーチを実現するために設計しました。スワップが約定するその瞬間まで、あなたのトークンはあなたのウォレットにとどまります」。
プロダクトローンチと並行して、「1inch Network Incentives」も始動した。これはAqua向けのリクイディティ報酬プログラムで、Degensoft Ltd(BVI)が主導し、Merklを通じて提供される。1inch Foundationはプロバイダー報酬として1INCHトークン1,000万枚の拠出を約束し、さらに1inch DAOが50万USDCを上乗せする。対応ペアにおけるリクイディティ拡大とスワップボリュームの加速が狙いで、LPはAquaによる改善されたUXに加え、追加報酬を獲得する機会も得られる。プログラムの条件、対象市場、セーフガードは公開されたキャンペーン設定で示されている。
1inchによれば、現行のプールベースの仕組みこそが、DeFiのスケール拡大と、TradFi資本のオンチェーン取り込みを阻む最大のボトルネックだ。LPはプールに預け入れることでカストディを手放し、アクティブな資本はプロトコルやペア、価格レンジごとに細かく分散されてしまう。
その問題の大きさは、1inchの委託により実施されたオンチェーンのDuneによるリサーチではっきりと示された。主要DEXにおける集中リクイディティのうち、2026年上期には85%が十分に活用されておらず、トラッキング対象となった18.4億ドルのうち約16億ドルが遊休状態だった。これには、平均すると週あたり約5.42億ドルが完全に価格レンジ外に置かれていたケースも含まれ、年間で約1.5億ドルの手数料機会が失われていると推計される。
Aquaは、ウォレット残高を複数ポジションで同時に裏付けとすることで、より効率的な共有リクイディティモデルを提示する。従来のように、複数のプールやポジションに流動性を分割して預け入れる必要はなく、単一の残高で複数のクオートを同時に支えることができる。
例えば、10万ドルの残高があれば、合計30万ドル相当のクオートを出す3つのポジションを同時にサポートでき、さらに多くをクオートすることも理論上可能だ。基礎トークンは常にすべてのポジションから利用可能であり、何かを借り入れるわけではない。実際にウォレット内に存在する資産に対してのみスワップが実行される。
Aqua上のポジションは、ペアとポジションタイプに応じて、フルレンジ、集中レンジ、ペッグドのいずれにも設定可能だ。ユーザーは自らの判断でポジションを開閉でき、ロックアップはない。エクスポージャーは、理論上の合計ポジションサイズではなく、実際に保有するトークン残高によって上限が決まる。ウォレット残高がスワップをカバーできない場合、Aquaはそもそもそのトークンコールを発生させない。
本日から、ユーザーはEthereum、Arbitrum、Base、Robinhood Chain、BNB Chainを含む13のEVMチェーンでポジションを構築できる。Aquaは、リクイディティリーダーボード、インセンティブ画面、リクイディティマップのビジュアライゼーション、複数ポジションの一括作成、チェーン横断でポジションを閲覧できるプロバイダープロフィール、サブウォレットなど、追加機能も備えてローンチした。さらに、1inch Business MCP経由でのAI支援型リクイディティ提供フロー(安全なバッチデプロイ対応)も近日提供予定だ。
Aquaは、OpenZeppelin、Bailsec、Hashlock、Hexens、MixBytes、Nethermind、Theori、Decurityの8社による独立セキュリティ監査を完了している。ユーザー資産を一切カストディしない完全セルフカストディ設計とあわせて、スワップは約定時点でウォレット内に存在する資産のみを動かすことができる。承認の取り消し(revocation)がオンチェーンで確定すれば、その瞬間から新たな約定は停止する。
さらにAquaは、設計上、JIT(Just-In-Time)手数料スナイピングへの耐性を持つ。各ポジションには単一のオーナーしか存在せず、ボットが狙える「手数料の共有タイミング」が生まれないためだ。一方で、Aquaの設計によりエクスポージャーが限定され、プロバイダーが自らのトークンをコントロールし続けられるとはいえ、スワップ手数料は保証されず、価格変動によるインパーマネントロス、市場リスクやスマートコントラクトリスクは引き続きプロバイダーが負うことになる。
1inchについて
1inchは、27M人のユーザーに対し、シームレスな暗号資産トレーディング体験を提供することでDeFiの普及を加速させている。低コストかつ高効率なトークンスワップの主要プラットフォームであると同時に、100M+ in daily trades規模の日次取引を処理している。
さらに1inchは、安全なセルフカストディ型ウォレット、デジタル資産管理向けポートフォリオトラッカー、先端技術へのアクセスを提供する法人向けポータル、日常決済に利用できるデビットカードなど、多様なツール群も展開している。継続的なイノベーションを通じ、1inchはDeFiの利用ハードルを下げ、より多くの利用者にとって身近な存在へと近づけている。
ウェブサイト | 1inch Business | 1inch Network | Xでフォロー | ブログを見る
Aquaの利用には元本損失を含むリスクがあります。経験豊富なユーザー向けに設計されており、必ずご自身で調査・判断してください。本稿は投資助言ではありません。インセンティブ報酬は変動的で保証されず、公表されたプログラム条件に従います。

