イーサリアム(Ethereum、ETH)は急騰後、2.5万ドル近辺で上値が重くなっており、短期モメンタムの鈍化とマクロ要因の重しから、下値サポートゾーンが再び注目を集めている。
注目ポイント
- ETHは依然として中期的な回復トレンドの範囲内にあるものの、2.4万〜2.52万ドル帯での戻り売りが続き、持ち合いもしくは調整入りリスクが高まっている。
- 直近の重要サポートは2.21万〜2.31万ドル帯で、その下は2.06万〜2.14万ドルが次の下値メドとなる。
- 一方で、2.52万ドルを明確に上抜ければ、形成中の弱気シナリオは後退し、上昇トレンド再開への期待が再び強まりやすい。
イーサリアムのサポートゾーン
イーサリアムは、1.85万〜1.92万ドルのレンジを上放れした後、2.4万〜2.52万ドルの供給ゾーン(戻り売り圧力帯)に到達して以降、上値追いに苦戦している。買い方は同水準を複数回試しているものの、次の上昇波につながる決定打は出ていない。
日足チャートでは、まず2.21万〜2.31万ドル帯が最初の押し目候補として意識される。その下では、調整が深まった場合の次の下値メドとして2.06万〜2.14万ドルゾーンが控える。いずれも直近の上昇をスタートさせた1.85万〜1.92万ドルの「土台」の上に位置しており、この範囲までの下落であれば、中期的な回復トレンドそのものが即座に否定されるわけではない。
4時間足では、同じレジスタンス帯で三度の高値をつけた格好となっており、直近の安値を結んだ上昇トレンドラインも一時的に割り込んでいる。形状としては、トレンドの勢いが弱まる局面で現れやすい「3波動型」の天井パターンに近い。
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ウォーシュ発言と金利プレッシャー
Shayan Marketsは、テクニカル面で上昇トレンドラインを素早く回復し、2.4万ドル近辺を維持できれば、直近の下押し圧力はやや和らぐと指摘。一方、2.52万ドルを明確に上抜けるようであれば、現在市場が意識している反転(下落)シナリオは崩れ、上昇トレンド続行シナリオが優勢になりうるとみている。それまでは、前述の下値サポート帯が買い方にとって守るべき重要な防衛ラインとなる。
こうしたテクニカル要因に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長によるジャクソンホールでの発言が、マクロ面の制約として意識されている。ウォーシュ議長は、インフレ率はなお高水準にあり、FRBが掲げる2%目標への進捗が停滞するようであれば、金融政策を現在の抑制的な水準で維持、もしくは一段と引き締める必要があるとの認識を示した。
市場はこれを「タカ派的」と受け止めており、金利高止まり観測が強まる中で、イーサリアムを含むリスク資産にとっては急速な上抜けを演じにくい環境となっている。高金利が長引くとの見方が、成長株や暗号資産といったボラティリティの高い資産クラスの上値を抑えやすいためだ。
現物市場のオーダーサイズのデータを見ると、足元では「クジラ級」とされる大口取引の偏在は確認されていない。大手機関・富裕層などの強いコミットメントが乏しいことは、目先の明確なトレンド発生よりも、方向感に欠けるレンジ相場が続く可能性を示唆している。
イーサリアムは、1.85万〜1.92万ドルのベースからほぼ「垂直」に近い形で2.5万ドル近辺まで戻してきた経緯がある。この急角度の上昇により、価格帯別にみた「滞留ゾーン」が十分に形成されておらず、その意味で2.21万〜2.31万ドルのレンジは、今回の回復相場がより安定的な土台を築けるかどうかを測る重要な試金石になりそうだ。





