オンチェーン分析でフラグされたウォレットアドレスが、BNB Chain上のVenus Protocolから約370万ドルを引き出したとみられる。これは、THEトークンを担保として預け入れ、PancakeSwapのCAKE、BTCB、およびBNBを借り入れることで実行されたと、本稿が確認したブロックチェーンデータは示している。
このポジションのヘルスレートはその後0.30まで低下しており、清算を引き起こす閾値である1.0を大きく下回っている。その結果、数千万ドル規模のTHE担保が強制的なアンワインド(清算)の対象となっている。
このインシデントは、BNB Chain上のレンディングプラットフォームで繰り返し見られている担保操作型のエクスプロイトのパターンに沿うものだ。流動性の低いトークンを過大評価された価格で担保として預け入れ、より流動性の高い資産を引き出す手法である。
何が起きたのか
オンチェーンデータによると、アドレス0x1a35…6231はVenusのアイソレーテッドレンディングプールに約881万枚のTHEトークン(約200万ドル相当)を供給し、その担保に対して借り入れを行った。借り入れたのは約246万枚のCAKE(約350万ドル)、0.001 BTCB、および小規模なBNBポジションだ。
借り入れ額は、担保の現在の市場価値を大きく上回っており、これは預け入れ後にオラクル価格が急速に悪化したか、価格変動を見越した意図的な過剰借り入れと整合的だ。
当該アドレスに紐づくウォレットは現在、およそ150万CAKE(約215万ドル)、20 BTCB(約143万ドル)、200 WBNB(13万1,560ドル)、1.94 BNBを保有しており、合計で約371万ドルとなっている。
記事執筆時点でもVenus上のポジションはオープンのままで、ヘルスレートは0.30を示している。これは、清算ボットが未払い債務をカバーするためにTHE担保を合法的に押収できる状態にあることを意味する。
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なぜ重要なのか
Venus ProtocolはBNB Chainにおける最大級のマネーマーケットの一つであり、これまでも類似した担保操作型インシデントに直面してきた。
2025年9月には、フィッシングに関連したエクスプロイトにより約1,350万ドルが流出したと推計されているが、Venusは緊急ガバナンスを通じて介入し、攻撃者の担保を凍結して強制清算を実施した。この対応は資金回収には成功した一方で、プロトコルがユーザーポジションに対して実質的な「キルスイッチ」を持つことへの批判も招いた。
現在のTHEポジションの差し迫った清算は、セカンダリーマーケットに対するリスクを孕んでいる。数千万ドル規模のTHEが薄い流動性の中で強制売却されれば、トークン価格はさらに押し下げられ、BNB ChainのDeFi全体で他のTHE担保ポジションに連鎖的な影響を及ぼす可能性がある。
本件に関して、記事公開時点までにVenusは公式声明を発表していない。
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