予測市場運営会社の**Kalshi(カルシ)**が、企業価値400億ドル(約4兆円)前後で約10億ドルを調達する方向で最終協議に入っている。約4カ月前からおよそ倍増となる水準での資金調達となる可能性がある。
重要ポイント
- カルシは企業価値400億ドル前後で約10億ドルを調達する方向で協議。
- セコイア・キャピタルとウェリントン・マネジメントが主導候補。タイガー・グローバルやドラゴニアも参加交渉中。
- 連邦控訴裁がオハイオ州とテネシー州によるスポーツ関連契約の規制を容認した直後のタイミング。
資金調達交渉の行方
事情に詳しい関係者によると、既存株主の**Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)と資産運用大手Wellington Management(ウェリントン・マネジメント)**が、新ラウンドを共同主導する方向で協議を進めており、数週間以内の決着が見込まれているという(報道)。**Tiger Global Management(タイガー・グローバル)やDragoneer Investment Group(ドラゴニア)**も参加に向けて交渉中だ。
今回のラウンドは、カルシが5月に実施したシリーズFラウンドに続くものとなる。同社は5月にクローズしたシリーズFで、企業価値220億ドル、調達額10億ドル規模の取引を成立させており、これは2024年12月時点から既に倍増の評価だった。
セコイアの共同リーダーである**Alfred Lin(アルフレッド・リン)**氏は、カルシ取締役会5議席のうち1議席を既に占めている。また、タイガー・グローバルとドラゴニアの関与可能性が浮上したのは今回が初めてだ。カルシとタイガー・グローバルはコメントを控え、他の3社からは取材に応じる回答が得られていない。
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ポリマーケットとの主導権争い
新たな資本は、カルシが同業の**Polymarket(ポリマーケット)**に対する優位を一段と広げる原動力となりそうだ。ポリマーケットは米国向けプラットフォームの立ち上げでつまずき、連邦規制当局からの調査も抱えている。それでも同社もまた、約10億ドル規模の調達について投資家と協議しているとされる。
分析サイトDune Analyticsによれば、カルシは過去1年で取引シェアの面でポリマーケットを逆転した。
カルシは現在、選挙やスポーツを超えたより広範な取引プラットフォームの構築を進めており、その分野では**CME Group(CMEグループ)や、ニューヨーク証券取引所を傘下に持つIntercontinental Exchange(インターコンチネンタル取引所)**など大手取引所との競合が避けられない。
一部の市場アナリストは、カルシが掲げる400億ドルという評価は、同社が現在の人気を、アクティブなトレーダーが多数参加し、安定した反復取引が見込める「取引所型ビジネス」へ転換できた場合にのみ正当化される水準だと指摘する。上場できる契約の範囲が規制などで厳しく制限されれば、成長ペースが鈍るとの見方も出ている。
評価額を左右する法規制リスク
法的リスクは依然として重くのしかかる。9月25日、連邦控訴裁は、オハイオ州とテネシー州がカルシのスポーツ関連契約にそれぞれのスポーツベッティング法を適用できると判断した。
テネシー州の司法長官**Jonathan Skrmetti(ジョナサン・スクルメッティ)**氏は、この判決を「消費者保護にとっての勝利」と評価する。一方でカルシ側は、自社商品に対する権限は連邦商品先物取引委員会(CFTC)が単独で有していると主張しており、今回の判断は今後の審査で覆るとみている。
カルシの企業価値は急ピッチで切り上がっている。2025年10月には、3億ドルを調達した際の評価が50億ドルだったが、その後12月の10億ドルラウンドで110億ドルに上昇。今年5月には220億ドルとなり、今回の取引がまとまれば、1年足らずで約8倍への評価引き上げとなる。
400億ドル評価の噂が市場に広がったのは6月のことだ。当初報道では第3四半期中にも取引が成立する可能性が指摘され、その後8月にはウェリントンの関与が公になった。現在進行中のラウンドがどの水準で落ち着くかは、法規制の行方と、取引所ビジネスへの転換速度が大きな焦点となる。
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