ビットコイン(BTC)は、前日までの軟調な値動きから持ち直し、12月26日に約8万9000ドル近辺で取引された。
仮想通貨市場は、休暇期間中もレンジ相場が続き、薄い取引状況のなかで値動きが増幅される展開となった。
米国の現物ビットコインETFは、12月24日に1億7530万ドルの純流出を記録し、5営業日連続の資金流出となった。
イーサリアム(ETH)ETFも同期間に5270万ドルの資金流出が発生した。
こうした継続的な償還は、仮想通貨価格を主要なレジスタンス水準の下に押し下げている。
何が起きたのか
12月26日のビットコインは、主要なオプション満期を前に8万6897〜8万9188ドルのレンジで推移した。
市場レポートによれば、ビットコインのオプション契約約237億ドル相当が、12月26日に期限を迎える予定となっていた。
これは、仮想通貨市場における年末のオプション満期として、過去最大級の規模の一つとみられている。
ブラックロックのIBITは、12月24日に9140万ドルの償還が発生し、ビットコインETFの資金流出を主導した。
グレースケールの商品は、同日のセッションで合計3040万ドルの資金流出を記録した。
イーサリアムETFでは、グレースケールのETHEが3380万ドルの流出で償還を主導した。
クリスマス休暇のため、主要取引所全体で取引高は低水準にとどまった。
流動性の低下により、重要なテクニカル水準付近でボラティリティが高まりやすい状況が生まれた。
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なぜ重要なのか
こうしたETFからの持続的な資金流出は、2025年初頭のビットコイン上昇を支えてきた「機関投資家による採用拡大」というナラティブに疑問を投げかけている。
仮想通貨市場は10月に約12万6000ドル近辺でピークを付けた後、調整局面に入った。
現在の9万ドル未満でのもみ合い水準は、その史上最高値から約3割下の水準となる。
年末のポジション調整やタックスロス・ハーベスティング(節税のための損失確定売り)が、ETF商品の償還圧力に拍車をかけた可能性が高い。
薄い休暇相場の流動性により、比較的限られた資金の動きでも現物価格への影響が増幅された。
アナリストの間では、今回のオプション満期の結果が、短期的な方向性を左右するとの見方が出ている。
アルトコイン市場全体はまちまちの展開で、主要トークンもはっきりしない値動きにとどまった。
イーサリアムは3000ドルを下回る水準で推移し、その他の大型銘柄も小動きな展開だった。
市場参加者は、1月に流動性が回復するのを待ち、その後の明確なトレンド形成を見極めようとしている。
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