Ethereum(ETH)財団のリサーチャーである Julian Ma 氏が、Fast Confirmation Rule(FCR)を提案した。この仕組みにより、イーサリアム・メインネットからレイヤー2ネットワークや中央集権型取引所への入金時間を、現在の約13分からおよそ13秒まで短縮できるとされており、しかもハードフォークを必要としない。
共同創業者の Vitalik Buterin 氏もこの提案をX上で支持し、「1スロット(12秒)経過後にイーサリアムが巻き戻らないというハードな保証を提供する」と表現している。
この提案が直接狙うのは、イーサリアム・エコシステムで長らく続く摩擦点のひとつ、すなわちベースレイヤーからL2や取引所へ資産を移動する際に発生する待ち時間の問題だ。
現在ほとんどのプラットフォームは「k-deep」コンファメーション・ルール、つまりトランザクションの上に一定数のブロックが積み重なるまで待つ方式に依存している。しかしこれは形式的なセキュリティ保証を提供するものではない。FCRはこの経験則的なやり方を、ブロック数ではなくバリデータの投票数を重視するアテステーションベースのモデルに置き換える。
FCRの仕組み
FCRでは、十分な数のバリデータ・アテステーションが蓄積された時点で、そのブロックを「確認済み」と見なす。通常のネットワーク状況下では、このプロセスはおよそ13秒で完了するとされる。
このメカニズムは、イーサリアムの正式なファイナリティより一段下のレイヤーで動作し、明示的な2つの前提に依拠している。ひとつは、ネットワークがアテステーションをおおむね8秒以内に届けること、もうひとつは単一のアクターがステーキングされたETHの25%超を支配していないことだ。
いずれかの条件が満たされない場合、FCRは停止し、安全でないコンファメーションを出す代わりに、フォールバックとしてファイナライズ済みのヘッドへ戻る。
このフォールバックは意図された設計だ。Ma氏はFCRについて「優雅に劣化する」と表現している。「十分なアテステーションが届き次第、そのブロックは高速コンファームされる。最悪の場合、FCRはファイナリティにフォールバックする」と説明する。またFCRの前提が満たされている状況では、高速コンファームされたブロックは「確実にファイナライズされる」とも述べている。
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導入と業界へのインパクト
コンセンサスレイヤーのクライアント開発チームはすでに実装に着手している。このルールは設定フラグによって有効化され、既存のJSON-RPC safe タグを参照するため、新たなAPIエンドポイントもネットワーク全体の調整も不要だ。
Ma氏は、ほとんどのL2および取引所において「80〜98%の入金時間短縮」が見込めると述べている。Buterin氏も、多くのユースケースに対して「非常に強力」だと評価した。
一方で、すべての観測者が納得しているわけではない。提案を公開レビューした一部の開発者は、「スーパー・マジョリティが誠実である」という前提の重さを指摘している。敵対的なステークが25%を超えた場合、FCRはライブネスを喪失し、誤ったコンファメーションを出す代わりに、コンファメーションが完全に停止してしまう可能性がある。
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