ロビンフッド(Robinhood Markets) が、デニス・シャポバロフのロスカボス初戦について、セットごとの勝敗や正確なスコアに連動するイベントコントラクトを上場した。2026年に同社が取り扱ったイベントコントラクトは累計で160億枚超に達しており、その一角をテニスが占めつつある。
主なポイント
- ロビンフッドはミフェル・テニス・オープン開幕戦の第1セット、第2セット、最終スコアに連動したコントラクトを上場。
- これらテニス銘柄のオーダーブックはロビンフッド自身の取引所ではなく、カルシ(Kalshi)、ForecastEx、Rotheraなど外部インフラに依拠。
- カルシはロビンフッドを「主要競合」と位置付けつつ、依然としてコントラクトを供給。ロビンフッドは新たにCrypto.comとの提携交渉も進めている。
ロビンフッド、シャポバロフ戦を細分化取引に
ロビンフッドの予測市場ハブでは、シャポバロフ対 リンキー・ヒジカタ(Rinky Hijikata) の試合について、第1セット勝者、第2セット勝者、さらには最終スコアに紐づくコントラクトを個別に一覧表示している。
カナダのシャポバロフは、バハ・カリフォルニア・スル州で行われるミフェル・テニス・オープン1回戦でオーストラリアのヒジカタと対戦する組み合わせに入った。大会のディフェンディングチャンピオンとして第8シード、世界ランキング67位で乗り込む。一方のヒジカタは96位だ。
各コントラクトは、予測が的中すれば1ドルで決済され、キャッシュで清算される。購入側に求められるのは、資金の入った証券口座だけで、暗号資産ウォレットもトークンも、別個の取引所ログインも不要という設計だ。
テニスのラインナップはATPツアーにとどまらない。スペイン、カザフスタン、英国などで行われる下部ツアーの試合まで網羅し、ゲームハンデ、トータルゲーム数、試合勝者といったマーケットを同一プラットフォーム上に並べている。
銘柄の広がりとともに、出来高も急増している。ロビンフッドは2026年、全ジャンルのイベントコントラクトで160億枚超を取引。2025年通年の120億枚超から大きく伸びており、イベントコントラクトは同社で最も成長ペースの速い収益源の一つになりつつある。
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カルシとの「協業と競合」が予測市場の供給を二分
もっとも、ロビンフッドはこれらテニス銘柄の取引所そのものは運営していない。この点は各コントラクトの詳細ページの但し書きで明示されている。同社は、カルシ(Kalshi) のほか、インタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers) 傘下の ForecastEx、さらにRotheraからもコントラクトを調達している。RotheraはCFTC(米商品先物取引委員会)の認可を受けた取引所兼清算機関で、ロビンフッドは2025年にSusquehanna International Groupとともに出資した。
カルシの最高経営責任者、タレク・マンスール(Tarek Mansour) は、6月に一部メディアへ語った際、ロビンフッドを「最大級の競合先」と位置付けつつ、自社取引所が引き続き同社にコントラクトを供給している現状を認めている。ただ、その関係は揺らぎつつある。
ロビンフッドはすでに Crypto.com ともイベントコントラクトの取り扱いに向けた協議を開始しており、アナリストの間では、Rotheraの稼働開始以降、ロビンフッド経由のカルシ取引シェアは縮小しているとの見方が広がる。
証券会社の バーンスタイン(Bernstein) は先月、ロビンフッドの目標株価を160ドルへ引き上げ、2028年の予測市場関連収入を17億ドルと試算した。ロビンフッドは2,700万超の資金入金済み口座を抱え、そのうち100万超の顧客がすでにイベントコントラクトを売買しているとされる。この分厚いリテール基盤は、専業の予測市場プラットフォームが現状では太刀打ちできないスケールだ。
ポリマーケットの規制戦略が市場地図を塗り替え
競合環境は、1年前とは様変わりしている。ポリマーケット(Polymarket) は2025年11月、米国内向けに仲介型アクセスを認めるCFTCの修正命令を取得。さらに2026年4月28日には、オフショア取引所を米国トレーダーに開放するための承認申請も行った。
それでもなお、ワールドカップ終了時点の名目取引高ベースでは、カルシが依然としてトップの座を維持していた。同社のコントラクトは約270億ドル相当の出来高を記録し、スーパーボウル関連市場の約10億ドルを大きく上回った。





