トークン株式が米国本土へ OKXとNYSE親会社ICEが24時間取引市場を計画

Ester Shlain
Ester ShlainOct, 05 2026 13:02
Round-the-clock trading in more than 60 tokenized U.S. stocks is planned by OKX and NYSE owner Intercontinental Exchange (Image: Shutterstock)
Round-the-clock trading in more than 60 tokenized U.S. stocks is planned by OKX and NYSE owner Intercontinental Exchange (Image: Shutterstock)

暗号資産取引所OKXと、**ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)**は、 米国上場株式60銘柄超を裏付けとするトークン化証券を24時間365日取引する新市場の開設計画を、 米証券取引委員会(SEC)に届け出た。

注目ポイント

  • OKXとICEの合弁会社「OKXICE」は、SECに対しトークン化証券の取引市場開設の意向を通知。
  • 通知対象は63銘柄で、各トークンはステーブルコインとペアを組み、L2チェーン「X Layer」上で常時取引。
  • 稼働開始日は未定。上場企業側には、自社株のトークン化に異議を唱えるための30日間が付与される。

OKXICEの通知内容

OKXとICEが50対50で出資する合弁会社OKXICEは、 SECの新たな「イノベーション特例」を活用し、トークン化証券取引のための市場を立ち上げる方針を 通知した。

共同議長を務める元ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は、この計画をX(旧ツイッター)で発表。 合弁会社は10月4日付のパブリック・ノーティスも 公表している。 SECはこうした市場を個別審査で承認する方式ではないため、 事業者は特例の要件を満たし通知を行えば、登録なしで営業を開始できる枠組みだ。

公表された通知文書には、 エヌビディア(Nvidia)、テスラ(Tesla)、アップル(Apple)、スペースX(SpaceX)、 コインベース(Coinbase)、サークル(Circle)など 計63のティッカーシンボルが列挙されている。 各トークンは、3種類のステーブルコイン──USDC (USDC)、 グローバル・ドル(Global Dollar) (USDG)、 テザー(Tether) (USDT)──のいずれかとペアで、 レイヤー2ブロックチェーン「X Layer」上の許可型Uniswap (UNI) v4流動性プールで取引される設計だ。

通知によれば、取引は24時間365日ノンストップで行われる。 売買および流動性供給に参加できるのは、 KYC(本人確認)、マネーロンダリング対策、制裁リスト照合による審査を通過したウォレットに限定される。 トークンの発行は、登録ブローカー・ディーラーに1対1で保管された実際の株式を裏付けに、 匿名の第三者機関が担う。 なお、ローンチ時期については明記されていない。

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クオモ氏とスター・シュー氏のコメント

クオモ氏は今回の計画を「真にグローバルで24時間稼働するウォール街に向けた画期的な一歩」と表現。 別のコメントでは、ブロックチェーンや流動性プール、スマートコントラクトを 株式取引の「より効率的な手段」と 位置づけ、 24時間グローバル取引には「莫大な利点がある」と述べた。

OKXの創業者兼CEOである**スター・シュー(Star Xu)**氏は、 トークン化によって公開市場は「よりオープンでシームレス、かつ常時アクセス可能になる」と 語っている。

これまでOKXを含む多くの暗号資産取引所は、米国投資家を対象外とするオフショア規制のもとで 株価連動トークンを取り扱ってきたが、今回の計画が実現すれば、 そうした取引が米国本土の規制枠組みの中に取り込まれる可能性が出てくる。 一方で通知文書は、流動性プールのみで価格形成が行われるため、 特に通常の取引所時間外には、トークン価格が原株価と乖離するリスクがあると警告している。

SEC特例とICEの出資経緯

SECは9月17日、暗号資産関連法案「Clarity Act」が上院で頓挫した直後に、 一定の条件を満たす市場に対し、5年間に限り米国株トークンを 取引所登録なしで売買できる「イノベーション特例」を発出した。 対象となるトークンは、通常株式と同等の配当および議決権を備える必要があり、 発行体となる上場企業には、トークン化に異議を申し立てて上場対象から外すための 30日間が与えられる。 半導体企業Cerebras Systemsはすでに、この権利を行使しているという。

今回の通知は、OKXとICEの間で数カ月にわたり進められてきた提携交渉の延長線上にある。 ICEは今年3月、OKXに対し250億ドル評価で出資を実施。 両社は6月に、トークン化金融商品のインフラ構築を目的とする合弁会社OKXICEを 設立し、 クオモ氏とICE幹部の**トラビュー・ブランド(Trabue Bland)**氏を共同議長に任命していた。

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Ester Shlain

Yellowのビジネスアナリスト。トレーディングメカニクス、エージェンティックインフラストラクチャ、暗号資産取引所スタックに関する市場調査を担当。DAOプラットフォーム、ローンチパッド、トークノミクス設計など、web3領域で7年の経験を持つ。物語の裏側にある数字を知りたい人のために執筆している。

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