ビットコイン(BTC)のオプション市場は、 2022年11月のFTX崩壊以来で最も極端なディフェンシブ・ポジションに達している。 それにもかかわらず、暗号資産市場やマクロ経済にはそれに匹敵する ファンダメンタル危機は見当たらないと、 Binance Research が木曜に公表した週間レポートで指摘している。
一方で、ビットコインと世界のM2マネーサプライの乖離は現在も拡大しており、 データセットの歴史上いかなる局面をも上回る水準に 到達している。 Binance のアナリストは、このギャップを単一のきっかけではなく、 三つの構造的な歪みが重なった結果だと分析している。
レポートは2026年2月25日で終わる週を対象としており、 IEEPA 関税を無効とした米連邦最高裁判決、 NVIDIA の第4四半期決算、 そして暗号資産を含むテクノロジー関連資産の軟調が この期間を特徴づけたとする。
3年ぶりの極端なオプション・ヘッジ
BTCオプションの25デルタ・スキュー指数 (下落局面でのプットの保険コストと、上昇局面でのコールの相対コストを測る指標)は、 2022年11月以来で最も低い(ネガティブな)水準に達している。
Binance Research は レポート の中で、 現在の環境にはこれに見合うようなファンダメンタルショック、 すなわち大手取引所の崩壊や規制上の危機、システミックな障害などは 見られないと指摘する。
レポートは、この過度とも言えるヘッジ姿勢は 市場が崖っぷちにあるというより、 センチメントのボトムに近づいている可能性を示唆していると論じる。 それを裏付けるように、ビットコインの実現損益比率は 2023年以降で初めて1.0を下回っており、 これは通常、秩序立った分散売りではなく 追い込まれた投げ売りの典型的なサインとされる。
関連記事: Why Is Sam Bankman-Fried Filing For A New Trial While Still Appealing His Conviction?
M2 の乖離と、いま誰がビットコインを保有しているのか
2015年以降、ビットコインと世界のM2は23回乖離してきたが、 歴史的には平均1〜2カ月のうちに解消されている。
現在の乖離は、その平均的な時間枠をはるかに超えて続いている。
Binance は、これをもたらしている三つの要因を挙げる。 第一に、ドル安がドル建ての世界M2統計を機械的に押し上げており、 実体的な流動性拡大を必ずしも反映していないこと。 第二に、ETF 上場後の保有構造の変化により、 リスク管理システム上でビットコインが ソフトウェア株と同じバスケットに分類されていること。 第三に、高い実質金利が、大口の流動性プールをマネーマーケットファンドに とどまらせていることだ。
13F データ:誰が売り、誰が買ったのか
第4四半期の13F報告によれば、 ETF保有分からビットコイン換算で約2万5,000BTCの 純機関投資家流出があったことが 示されている。
しかし、その内訳は非対称だ。 投資アドバイザーとヘッジファンドが売りの大半を占める一方で、 政府、持株会社、プライベート・エクイティは いずれもネットの買い手となっていた。
BTCとETHの週間パフォーマンスでは、 ビットコインが前週比21.8%安、 イーサリアム(ETH)が30.4%安と下落し、 同期間に4.24%上昇した金との間に大きなギャップが生じた。 このパフォーマンス差は、マネタリー指標というより ソフトウェア株指数(IGV)との連動性の方が高い。



