1人の開発者が、「1人でもエージェント的コーディングで2030年版のEthereum(ETH)クライアントを作れる」とヴィタリック・ブテリンと賭けをして、実際に2週間でETH2030を構築した。Go言語で70万2,000行、ロードマップ項目65件をカバーし、Ethereumメインネットとの同期まで行っている。
ブテリンは金曜日にこの成果へコメントし、「かなり印象的な実験だ」と評価する一方で、大きな但し書きを挙げ、AIがEthereumロードマップ完了までの期間をコミュニティの現在の想定以上に短縮し得る可能性を示唆した。
ブテリンは、このプロジェクトが「何でないか」について率直だった。正式なEthereum Improvement Proposal(EIP)を踏まえずに構築されているため、重大なバグを含んでいる可能性が極めて高く、AIが完全な実装を試みなかった機能については「スタブ(仮実装)」版が含まれている可能性も高い。
彼が主張するポイントは、成果物そのものではなく「軌道」である。6カ月前の時点では、たとえプロトタイプであっても、これほどのスコープのものは「可能性の領域のはるか外側」にあった、と彼は記した。
スピードか、セキュリティか
ブテリンは、AIによる開発加速の正しいアプローチは、得られた利得をすべて速度に振るのではなく、スピードとセキュリティの間で配分することだと位置づけた。
彼が好むモデルは、AIを使ってより大規模なテストケース群を生成し、実装を形式的に検証し、同じコンポーネントについて複数の独立したバージョンを作成して相互検証に用いる、というものだ。
Ethereumコードの完全な形式検証を目指すLeanEthereumプロジェクトの協力者は最近、AIを使って、STARKのセキュリティを支える最も複雑な定理の1つについて、機械的に検証可能な証明を作成した。
ブテリンの枠組みでは、これこそがより価値の高いユースケースだ。単により速く出荷するのではなく、より形式的に正しさが検証されたコードを出荷することに重きを置く。
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何が「可能」だと考えているのか
ブテリンは、自身の楽観論を「予測」ではなく「可能性」として慎重に示した。Ethereumのロードマップは、現在想定されているタイムラインよりも速く、しかもより高いセキュリティ水準で完了し得る、という考えを人々は受け入れるべきだと述べた。
セキュリティ面について彼は、バグのないコードが「理想主義的な妄想」から重要インフラに対する基本的な期待へと移行していく可能性に、個人的な高揚感を表明した。
もちろん、絶対的な意味での完全な安全性は依然として不可能だとも認めている。開発者の頭の中身とコードの内容が完全に一致していることが必要になるからだ。しかし彼は、AIによる形式検証によって、特定の明確に定義されたコード不具合から生じ得る悪影響の99%超をすでに排除できると主張した。
ETH2030のリポジトリは、github.com/jiayaoqijia/eth2030 で一般公開されたままになっている。



