シュナイダー・エレクトリックは、AI向けデータセンター需要の急拡大を背景に、2026年の利益および売上高目標を今年2回目となる上方修正した。7-9月期(第3四半期)の売上高は114億6000万ユーロ(約129億ドル)と四半期として過去最高を更新した。
注目ポイント
- 第3四半期売上高は有機的成長率で16.9%増と、市場予想(約13.8%増)を大きく上回る伸び
- データセンター向け機器需要は「3桁成長」(前年比100%超)とされる急増ペース
- 一方で、ソフトウエア企業PTCの約226億ドル買収計画への懸念から、株価は上昇から一転して下落
第3四半期業績:データセンター関連が牽引
フランスの電機大手シュナイダー・エレクトリックは、発表資料によると、第3四半期売上高が有機的ベースで前年同期比16.9%増となり、四半期ベースで過去最高を更新した。市場コンセンサスは約13.8%増とされており、これを大きく上回った。
なかでも、データセンター向けの電力供給・冷却設備などを扱う中核のエネルギーマネジメント事業が有機的に18.8%増の96億2000万ユーロと、全体を強く押し上げた。
最高経営責任者(CEO)のオリヴィエ・ブリュム氏は、ロイターへのコメントで、データセンター関連需要が「3桁成長」のペースで伸びていると説明し、「2027年、2028年に向けた需要の見通しが一段と明確になってきた」と強調した。
地域別では、中国および東アジアが26.1%増と最も高い伸びを示したほか、売上高の約4割を占める北米も19.9%増と力強い成長を維持した。
同社はさらに、新たな見通しとして、2026年通期の調整後EBITA(コア利益)が有機的に18〜21%増になるとの予想を公表。従来見通しの14〜19%増から上方修正した。有機的売上高成長率見通しも10〜13%増から12〜14%増へ引き上げている。
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AIブームは半導体以外へ JPモルガンはPTC買収に慎重姿勢
今回の決算は、AI関連投資の恩恵が半導体メーカーにとどまらず、電力インフラや冷却設備など「裏方」の企業にも波及していることをあらためて示した。ブレーカーで知られてきたシュナイダーは、いまやAIデータセンターの電力・冷却インフラを支える「骨格」の構築企業としての性格を強めている。サーバーラックや冷却ユニット、配電機器まで幅広く手掛ける。
もっとも投資家の評価は一枚岩ではない。同社株は決算発表後、一時上昇したものの、その後は反落し、約1.6%安で取引を終えた。背景には、ソフトウエア企業PTCの大型買収計画を巡る警戒感がある。
シュナイダーは10月5日、PTC株を1株当たり205ドルの現金で買い取ることで合意し、PTCの株式価値を約226億ドルと評価した。この発表を受け、同社株は当日に一時約10%下落した。
こうした動きを受け、JPモルガンのアナリスト、フィル・ブラー氏は翌日、シュナイダー株の投資判断を「オーバーウエート(強気)」から「中立」へ引き下げ、目標株価も345ユーロから310ユーロへと引き下げた。
ブラー氏は、総額約270億ドル規模のM&A資金を、魅力度が相対的に低いとみる産業オートメーション事業へ振り向ける戦略に疑問を呈した。ただし同社株の急落については、同行が「行き過ぎた反応だ」と指摘しており、ファンダメンタルズとの乖離をうかがわせる。
7月に続く2度目の上方修正
今回のガイダンス引き上げは、7月30日に続く2度目の措置となる。同社は7月、上期売上高が212億ユーロと過去最高を更新したことを受け、有機的売上高成長率目標を10〜13%、コア利益成長率を14〜19%へと上方修正していた。
当時、ブラー氏は同社株に強気姿勢を示し、全事業分野にわたる幅広い成長と、データセンター分野での「3桁」成長モメンタムをポジティブ要因として挙げていた。
