グレースケール(Grayscale)は火曜日、プライバシー重視型暗号資産ジーキャッシュ(Zcash)(ZEC)の米国初となる現物ETFの売買を開始した。年率2.5%のスポンサー料を課し、上場時点でZEC価格は約851ドルと2018年以来の高値圏に達していた。
注目ポイント
- グレースケールは既存のZcashトラストを上場投資信託(ETF)へ転換し、NYSE Arcaにティッカー「ZCSH」で上場。
- 年率2.5%のスポンサー料を設定し、その収益をジーキャッシュ・ネットワークに還元。
- ZECは6月の下落をほぼ帳消しにし、直近1週間で約70%上昇。
グレースケールのジーキャッシュETF、NYSE Arcaで取引開始
新ETFは火曜日の寄り付きと同時にNYSE Arcaで取引を開始し、ティッカーはZCSHとなった。これにより、同社が運用してきたZcashトラストは、一般的な証券口座から売買可能な上場商品へと衣替えした形だ。グレースケールはこの商品について、先物やスワップではなくZECそのものを保有する「世界初の上場商品」だと強調している。
ジーキャッシュは2016年にローンチされ、ビットコイン同様に発行上限2,100万枚を採用する一方、「シールドトランザクション」と呼ばれる任意の匿名送金機能を備えることで知られている。
ETFのスポンサー料は年率2.5%で、日々発生しZEC建てで支払われる。米国内の他の現物型暗号資産ETFと比べると割高な水準だが、グレースケールの広報担当者によると、この収益はジーキャッシュのプロモーションや開発などネットワーク支援に振り向けられる。
前日時点で、トラストは運用資産残高が3億1,350万ドル超と報告している。同商品は2021年10月から今週までOTCQX市場で店頭取引されており、その間は基礎となるZEC価格との乖離がたびたび問題視されてきた。
カストディアンはCoinbase Custodyが務め、**バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(Bank of New York Mellon)**が移転(トランスファー)代理人に就任。**ジェーン・ストリート・キャピタル(Jane Street Capital)とバーチュ・アメリカス(Virtu Americas)**がAPとしてETFの設定・償還を担う。
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スティーブ・ヴァナーニ氏、プライバシーとAIの接点を語る
グレースケールでインデックス部門を率いる**スティーブ・ヴァナーニ(Steve Vanourny)**氏は、AI(人工知能)の進展により金融取引の追跡能力が飛躍的に高まるなか、「本物の金融プライバシー」への需要は今後も増すとの見方を示した。
同氏は、ジーキャッシュは長期的に見ても持続的な役割を果たし得ると指摘し、そのアクセス手段としてETFという投資家になじみのある器を用意する意義は大きいと説明する。
もっとも、2.5%というフィー水準は投資家にとって無視できない負担だ。単純計算では、10年間の長期保有で元本の約4分の1をコストとして失う可能性がある。
もう一つの論点は「誰がZECを握るのか」という所有構造だ。グレースケールの親会社である**デジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)**の子会社は、約20万ZECを投じてETFの受益証券を取得する方向で拘束力のない協議を進めているとされる。実現すれば、拡大後ファンドの約34%に相当する大口保有となる見通しだ。
ZCSH上場と重なるジーキャッシュ急騰
火曜日の取引時間中、ジーキャッシュは約851ドルで取引され、時価総額は約143.7億ドルに達した。24時間の先物取引高は95.4億ドルと報告されており、6月の売り局面を完全に打ち消したうえで、直近1週間だけで約70%上昇している。
グレースケールは、今回と同様の「トラストからETFへの転換」を既に複数回実行してきた実績がある。証券取引委員会(SEC)との長期にわたる法廷闘争の末に、ビットコイン(Bitcoin)(BTC)とイーサリアム(Ethereum)(ETH)の両トラストを現物ETFに転換。その後もXRP(XRP)、ソラナ(Solana)(SOL)、ライトコイン(Litecoin)(LTC)を対象とするファンドを相次ぎ上場させている。





