パリ発、2026年10月8日/PRNewswire/──Frieze LondonとArt Basel Parisの開幕を前に、 Artpriceは年次報告書「2026年版 現代アート市場レポート」第33号を公表した。 大きな転換期を迎えつつある現代アート市場の実像を、詳細なデータに基づき検証している。

Artprice「現代アート市場レポート2026」表紙作品 Iskra Velitchkova《I See Generative: Chapter 0, Wind, ISG 018》(2026年)
「第33回『現代アート市場レポート』の編纂は、待ち望まれた市場回復が進む一方で、 そのメカニズムが変容の瀬戸際にある理由を解き明かす刺激的な作業だった」 ──Artmarket.com会長 兼 Artprice創業者 thierry Ehrmann
「活況」でも「高騰」ではない市場
2025年7月から2026年6月にかけて、美術品オークション市場は明確な回復局面に入り、 ファインアート(美術作品)の落札総額は前年比41%増と大きく伸びた。 ただし、この成長をけん引したのは現代アートではなく、主としてモダンおよび戦後美術だった。
一方、3年連続の縮小が続いていた現代アートも、ようやくプラス成長へと転じた。 金額ベースでは+6%と控えめだが、点数ベースでは+9%と堅調で、 成約ロット数は6年連続で過去最高を更新している。 そのうち3年分は金額が減少していた時期に記録されたものであり、 市場調整の最中も取引件数自体は拡大していたことがうかがえる。
一方で、40歳未満の「ウルトラ・コンテンポラリー」作家セグメントは、 なお縮小トレンドから抜け出せず、取引額は前年から26.6%減少した。 全体としては持ち直しが確認されたものの、若手セグメントとそれ以外の市場との ギャップは、今年さらに広がったかたちだ。
レポートでは、こうした回復局面のドライバーを、金額・数量の両面から詳細に分析。 併せて、ウルトラ・コンテンポラリー市場で進行する調整局面にも踏み込み、 一時的な投機的高騰を巻き戻しながら、価格を持続可能な水準へと収斂させている過程を検証する。 その中でも、局地的な熱狂がなお散見される点も指摘している。

2000年以降の現代アート・オークション売上推移
成長エンジンは米国
Artpriceによる現代アート市場の分析対象は、64カ国、オークション市場を持つ558都市、 そして1,055のオークションハウスに及ぶ。 もっとも、この広がりの裏側には、依然として少数の主要マーケットセンターに 売上高が集中する現実がある。 その一方で、アジアを中心に新たな成長拠点も台頭しつつある。
こうした売上地理は、市場の経済バランスとパワー構造を映し出す。 一つは国・都市別の売上シェアというマクロ地理。 もう一つは、数百万ドル級の「トロフィー作品」がどこを行き交うかという、 より選別されたパワーマップである。
今回の成長には、明確な地理的特徴がある。 現代アートの世界オークション売上は約1億ドル増加したが、 その増加分は全て、報告期間中の米国市場で計上されたものだった。
成長寄与のほとんどを米国が占めた格好だが、 この数字は慎重に解釈する必要がある。 米国高額市場の「強さ」には、2点のジャン=ミシェル・バスキア作品が 例外的な高値を記録した影響が大きく、 それを市場全体の基調と短絡的に結びつけるべきではない。
それでも、米国の優位は売上規模にとどまらない。 価格ランキングにおいても、100万ドル超の落札結果の半数を 米国人アーティストが占めるなど、「作家」の側から見ても 米国の存在感は圧倒的だ。
コントラストをなすのが中国である。 依然として世界第2位の市場規模を維持しているものの、 オークション売上は18%減少した。 それでも、主に香港と北京で約40件の100万ドル超落札を確保している。
同時に、アジアのほかの市場は回復基調にあり、 とりわけソウルを中心とする韓国市場の存在感が増している。
欧州では、売上高で世界3位の英国が横ばいだった一方、 フランスは22%の成長を記録した。 なかでも注目すべきは取引件数で、前年から18%増加。 ボリュームベースでは米国、英国に次ぐ世界3位となり、 フランスのオークション市場の厚みと裾野を裏づける結果となった。
その後方を追う形の中東は、文化施設や制度面の整備が進むものの、 世界市場に占めるシェアは依然として限定的である。 オークション売上は28%減少し、主に湾岸諸国を中心とした 地政学リスクの急激な悪化が響いたとみられる。
価格形成メカニズムをどう読むか
長期的な価格調整、上昇する取引コスト、 そして高まる地政学リスク──。 これら複合的な圧力により、 「一枚岩のグローバル市場」としての現代アート像には 再検証が迫られている。
価格がどう形成され、どのように変動するのか。 その繊細なメカニズムへの理解はこれまで以上に重要性を増しており、 それこそがArtpriceの各種サービスの中核となるテーマだ。
本レポートは、2025年7月から2026年6月までの期間における、 世界中のオークションから集積した6万超の現代アーティストの 落札データを網羅的に分析している。 プロのマーケット関係者、経験豊富なコレクター、ジャーナリスト、 アート愛好家、学生まで、 市場を変えつつあるトレンドや構造変化、ダイナミクスを 精緻に読み解くことができる一冊だ。
市場の構造変化をデータで読み解く── 主要な動きに加え、オークション結果に基づく 現代アーティスト上位500人のランキングを収録。
フランス語版:
https://fr.artprice.com/artprice-reports/le-marche-de-lart-contemporain-2026
英語版:
https://www.artprice.com/artprice-reports/the-contemporary-art-market-report-2026
『思想家とAIの対話』──世界書籍プロジェクト
Artprice創業者であり、1987年からAI分野の先駆者として活動してきた thierry Ehrmannは、 世界書籍プロジェクト Dialogue Between a Thinker and AI 『思想家とAIの対話』において、 著者性や作品概念の再定義、不可視の美術潮流、 そしてAIが遍在する時代のアート市場情報のあり方を、 学際的な視点から問い直している。
彼はこう述べる。 「既存の学派や明示的なマニフェストを超え、 AIは市場の表層下で芽吹く微弱なシグナルや動きを拾い上げ、 美術の星座をマッピングしていく」と。 さらに、 「AIは、美的な力学の場を読み解き、 伝統的な眼には見えない『断絶の幾何学』を検出する」と付け加える。
Ehrmannは全1,800ページに及ぶ自著を、 今日の主要AIプレイヤー9エンジンの批評に委ねている。 OpenAIのChatGPT 6、 GoogleのDeepMindエコシステム、Gemini Ultra、Project Astra、 さらにGrok、DeepSeek、Perplexity、Mistral、Qwen、Copilot、 そしてMetaが名を連ねる。
無料ダウンロードはこちら:
https://www.dialoguebetweenathinkerandai.com/en/
年次「現代・ウルトラ・コンテンポラリー
アート市場レポート」
Artprice.com by Artmarket 目次概要
市場概況(Market Overview)
回復局面の検証(Analyzing the Recovery)
価格動向(Art Prices)
変動する地政学リスク環境
トロフィー作品の地理
100万ドル超落札を生み出す国籍構成
40歳未満アーティスト
中国人アーティストの底力
メガギャラリーの役割
女性アーティストのプレゼンス
一段と存在感を増すグローバル・サウス
中東
インド
インドネシア
ラテンアメリカおよび南米
オークションハウス専門家による 現代アート市場コメント
現代アーティスト上位500人
現代アート作品上位100点
方法論
本レポートは、世界中の公開オークションにおける ファインアート作品──絵画、ドローイング、彫刻、写真、版画、 ビデオ、インスタレーション、タペストリー──およびNFTを対象に分析した。 なお、古美術、作者不詳の文化財、家具は対象外としている。
対象期間は2025年7月1日から2026年6月30日まで。 Artprice by Artmarketが記録した全世界のオークションデータから、 1945年以降生まれのアーティスト(現代アート)を抽出し、 その中でも40歳未満(ウルトラ・コンテンポラリー)に特化した分析も行っている。
本レポートに記載される価格はすべて、 買い手手数料込みの公開オークション落札結果であり、 「$」は米ドルを示す。
画像:
[https://imgpublic.artprice.com/img/wp/sites/11/2026/10/img1-artprices-2026-contemporary-art-market-report-cover-featuring-i-see-generative-chapter-0-wind-isg-018-2026-by-iskra-velitchkova.jpg]
[https://imgpublic.artprice.com/img/wp/sites/11/2026/10/img2-contemporary-art-auction-sales-since-2000.jpg]
Copyright 1987-2026 thierry Ehrmann
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Artpriceのエコノメトリクス部門では、
個別ニーズに応じた統計・分析に関する問い合わせを受け付けている:
[email protected]
アーティスト別データベースなど各種サービスは
無料デモで体験できる:
https://artprice.com/demo
サービスの詳細・購読プラン:
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Artmarket.comについて
Artmarket.comは、ユーロネクスト・パリのEurolistに上場している。 最新のTPI分析によれば、海外株主や法人、銀行、FCP、UCITSを除き、 個人株主は1万8,000人超。 Euroclearコード:7478、Bloomberg:PRC、Reuters:ARTF。
Artmarket.comおよびそのArtprice部門の紹介動画: https://artprice.com/video
Artmarketとその中核部門であるArtpriceは、同社CEOティエリー・エールマンによって1997年に設立され、その持株は1987年創業のグループ・サーヴール(Groupe Serveur)が保有している。詳細はフランス版『フーズ・フー』公認の略歴を参照されたい。
Artmarketは、アート市場におけるグローバル・プレーヤーとして、とりわけArtprice部門を通じ、歴史的および現在のアートマーケット情報の収集・管理・活用で世界をリードしている。長年にわたり蓄積してきたオリジナルの文書アーカイブ、コデックス写本、書き込み入り書籍、オークションカタログなどをもとに構築されたデータバンクには、3,000万件超の指標およびオークション落札結果が収録され、92万300人を超えるアーティストをカバーしている。
Artprice Images®は、1700年以降の美術作品を対象に、写真および版画による図版1億8,100万点以上を収録した、世界最大級のアートマーケット向け画像バンクであり、社内のアートヒストリアンによる解説付きで無制限に閲覧できる。
ArtmarketおよびArtprice部門は、世界7,200のオークションハウスから継続的にデータを収集し、121カ国・11言語で主要通信社・メディア向けにアート市場のトレンド分析を発信している。
Artmarket.comは、世界で初めて本格的な標準化されたアートマーケットプレイス「Standardized Marketplace®」を構築し、会員が掲載する固定価格売買の出品情報を、登録会員930万人(ログイン会員)に提供している。
ArtpriceのIntuitive Artmarket® AIによって、アート市場の新たなフロンティアが開かれつつある。
ArtmarketおよびArtprice部門は、アート市場におけるグローバル企業としての地位を強化するプロジェクトに対し、フランス公的投資銀行(BPI)から「イノベーティブ企業(Entreprise Innovante)」の認定を2度にわたり受け、支援を受給している。
Artprice by Artmarket、「2026年版コンテンポラリーアート市場レポート」を発表:
https://www.artprice.com/artprice-reports/the-contemporary-art-market-report-2026
Artprice by Artmarket、「2025年 世界アート市場 年次レポート」(2026年3月発行)を公表:
https://www.artprice.com/artprice-reports/the-art-market-in-2025
Artprice部門を含むArtmarketのプレスリリース一覧(英語)はこちら:
https://serveur.serveur.com/artmarket/press-release/en/
ArtmarketおよびArtprice部門によるアートマーケット関連ニュースは、FacebookおよびTwitter(X)でリアルタイムにフォローできる。
www.facebook.com/artpricedotcom/(登録者約630万人超)
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ArtmarketとArtprice部門が紡ぐ独自の「錬金術」と世界観はこちら:
https://www.artprice.com/video
本社は、ニューヨーク・タイムズ紙が「La Demeure du Chaos(混沌の館)」と呼んだ現代美術館「Abode of Chaos(アボード・オブ・カオス)」内に置かれている。
https://issuu.com/demeureduchaos/docs/demeureduchaos-abodeofchaos-opus-ix-1999-2013
フランス文化相ラシダ・ダチ氏は、ティエリー・エールマンの「Abode of Chaos」を、Artprice by Artmarketのグローバル本社であると同時に、「トータル・ワーク・オブ・アート(総合芸術作品)」として公式に認定した。
https://www.prnewswire.com/news-releases/madame-rachida-dati-french-minister-of-culture-has-granted-official-recognition-to-thierry-ehrmanns-abode-of-chaos-as-a-total-work-of-art-the-global-headquarters-of-artprice-by-artmarket-302409684.html
La Demeure du Chaos/Abode of Chaos – トータル・ワーク・オブ・アートかつ特異な建築作品。
秘密裏に編まれたバイリンガル作品が、いま一般公開されている:
https://ftp1.serveur.com/abodeofchaos_singular_architecture.pdf
・L'Obs「未来の美術館」: https://youtu.be/29LXBPJrs-o
・https://www.facebook.com/la.demeure.du.chaos.theabodeofchaos999(登録者約390万人超)
・https://vimeo.com/124643720
Artmarket.comおよびArtprice部門への問い合わせ先:
ティエリー・エールマン(Thierry Ehrmann)
[email protected]

SOURCE Artmarket.com
