ビットコイン(BTC)は、米軍によるイランへの軍事攻撃報道をきっかけにいったん急落したものの、土曜日に素早い反発を見せ、下落分を取り戻して再びプラス圏へ戻る展開となり、市場センチメントが落ち着きを取り戻したことを示した。
暗号資産は、リスク回避姿勢が強まった初動で一時6万3176ドル近辺まで下落したが、その後急速に切り返して6万7000ドル超まで上昇し、地政学的ショックを市場がいかに素早く織り込んだかがうかがえる動きとなった。
午後遅くの時点でも、ビットコインはその上げ幅の大半を維持しつつ推移し、価格は6万6000ドル台半ばで取引されていた。
リスクオフ初動で大量清算が発生
初動のマーケット反応は、典型的なリスク資産からの退避の動きと重なった。
中東情勢の緊張激化を受けてデジタル資産市場は急激なボラティリティに見舞われ、多数のレバレッジポジションが強制清算に追い込まれた。
急落局面では、ビットコインのデリバティブ取引で約2億5000万ドル相当が清算された。
そのうちロングポジションの清算はおよそ1億2480万ドルを占め、残りは、価格が反発に転じた局面で発生したショートポジションの清算によるものだった。
こうした急速な反発は多くの市場参加者の意表を突くもので、マクロ要因による下落を相殺しただけでなく、同じネガティブニュースのサイクルの中で価格がプラス圏に転じるという、ビットコインとしては珍しい展開となった。
「紛争封じ込め」観測が安心感を誘ったとの見方
明確な単一要因は特定されていないものの、一部のトレーダーは、今回の軍事行動が直ちに広範な地域戦争へとエスカレートしなかったとの見方が、市場の安心感につながったと分析している。
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そうした認識が市場の動揺を和らげ、押し目買いを促したとの指摘もある。
また、ここ数週間で徐々に強まっていたパターン――すなわち、ビットコインが度重なる弱気ニュースにもかかわらず下落を拡大せず、底堅さを保っている――が改めて確認された格好だ。
市場関係者の間では、こうした値動きは、基礎的な需要の強まりを示すシグナルになりやすいとも言われている。
流動性期待と思惑が議論を加速
イラン国内での政治的混乱の可能性をめぐる未確認情報もネット上で飛び交い、地政学リスクが大きく後退すれば、世界の金融市場全体で大幅なバリュエーション見直しが起こりうるとの見方も一部で浮上した。
一方で、すでに金融システムには大量の流動性が供給されているとの認識から、リスク資産には引き続き追い風となる環境があると指摘する声も根強い。そうした中で、世界的な緊張緩和が進めば、ビットコインにとって強力な追い風となりうる、との見解も出ている。
とはいえ、こうしたストーリーが実際の価格形成にどこまで影響を与えているのかは依然として不透明であり、トレーダーは引き続き新たな情報を注意深く見極めている。
マクロ指標控え、ボラティリティリスクはなお健在
力強い反発を見せたとはいえ、相場見通しは今後の中東情勢の推移や、間近に控える米国の経済指標次第で大きく変動しうる局面が続いており、価格は引き続き急変動リスクにさらされている。
記事執筆時点で、ビットコインは約6万6444ドルで取引されており、ここ数週間でも屈指の荒い値動きとなったセッションを経たあとも、比較的しっかりした水準を維持している。
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