誰も予想しなかったビットコインの底値を スタンダードチャータードが示した可能性

誰も予想しなかったビットコインの底値を スタンダードチャータードが示した可能性

ビットコインBTC)の直近の下落は、そろそろ一巡しつつあるかもしれない。スタンダードチャータード銀行ジェフリー・ケンドリック氏は、今後数日のうちに2つの主要なストレス要因が和らげば、現在の水準は振り返ってみれば重要な買い場として認識される可能性があると主張している。

Yellow.comに送付されたノートの中で、ケンドリック氏は、この1週間は「暗号資産にとって苦しい」展開だったと述べた。Strategy(旧MicroStrategy)が32 BTCを売却し、その売りが直接的に暗号資産を財務資産として組み入れる企業に対する批判を強める形となったからだ。売却は、すでにビットコインが下押し圧力を受けているタイミングで行われた。

「(MSTRによる32 BTCの売却という)この材料は、不運にもDAT懐疑派の主張にぴったりと合致してしまった」とケンドリック氏はノートで述べ、「売却のタイミングも残念だった」と付け加えた。

しかし同氏は、より重要なのは次にStrategyが何をするかだと指摘する。彼は、同社が前回ビットコインを売却した2022年12月22日の事例に言及した。当時、税務最適化の目的で704 BTCを売却した後、2日後に810 BTCを買い戻している。

MSTRの買い戻しは市場の底値シグナルになり得る

ケンドリック氏は、今回の売却後のStrategyによる買い戻しは、前回よりも攻めたものになる可能性があるとみており、売却量の10倍、あるいは100倍の規模に達するかもしれないと述べている。

「今回は、売却後の買いがより積極的になると見ている。10倍(+320 BTC)か100倍(+3200 BTC)のどちらかだと思う」と同氏は述べた。

もしそれが現実になれば、市場はその動きを、すでにビットコインの安値が形成されたことを示す初期サインとして受け止める可能性があるという。また同氏は、週末の売りは抑制的なままかもしれないとし、その理由として、トレーダーが月曜日までにStrategyがどれだけBTCを買い増したかが判明する前に、積極的に売り込むことをためらうと考えられる点を挙げた。

「もし私の見立てが正しければ、市場はこれをどう受け止めるだろうか。私は、安値が既に付けられたことを示す、慎重ながらも前向きなサインとして見るだろう」とケンドリック氏は語った。

ETFの保有残高は想定より堅調

さらにケンドリック氏は、ビットコインの上場投資信託(ETF)の保有残高は、今年初めに自らが予想していたよりも堅調に推移していると述べた。

同氏は2月時点で、ビットコインにはさらに下押し余地があり、5万ドルを目標とする「さらなる痛み」を警告していた。当時はETFの投げ売り(キャピチュレーション)を大きなリスクと見ていた。しかしそのレポート以降、ETFの保有残高は682,000 BTCから674,000 BTCへと、ほぼ横ばいで推移している。

「この数字は、ETFの保有が、2月時点で私が懸念していたほど脆弱ではなく、むしろ構造的に強いことを示している」と同氏は言う。

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この点が重要なのは、ETFからの資金流出が、さらなる強制売却を引き起こし得る、最も分かりやすい潜在要因の一つだったためだ。ETF保有者が安定を保ち、さらにStrategyが買いを再開するのであれば、市場は、追加的な売り圧力がどこから生じ得るのかを問わざるを得なくなると、ケンドリック氏は述べている。

清算によりレバレッジの多くはすでに整理済みの可能性

ケンドリック氏によると、今週のビットコイン先物のロスカット清算額は約15億ドルに達し、その規模は1月および2月に見られた清算イベントと同程度だった。

同氏は、ビットコインが6万ドルを割り込んだ場合には、依然としてさらなる清算リスクが残ることを認めつつも、今年はビットコインが株式に対して相対的に弱いパフォーマンスが続いていると指摘。そのため、まだ清算されていないロング方向のレバレッジ残高は、以前よりも少ない可能性が高いと主張した。

Strategyによる買い戻しの可能性、底堅いETF保有、そして大規模な先物清算という3つの要素が組み合わさることで、強制売りはすでに終盤に近づいているとの見方が強まる。

「底」断言ではなく「買い場」

もっともケンドリック氏は、明確なビットコインの大底を宣言することは避けており、今後の見通しには依然として「多くの不確実性(if)が存在する」と述べている。そのうえで、絶対的な安値を言い当てようとするよりも、段階的な買い増し(アキュムレーション)を戦略とする方が賢明だと指摘した。

「上で述べたように ‘if’ が多いため、安値が付いたと断定するよりも、積み増しを行う戦略の方が良い」とケンドリック氏は強調する。

それでも、同氏の中長期的な見通しは依然として前向きだ。2026年末までにはビットコインが10万ドル、イーサリアムETH)が4,000ドルに達し、投資家は現在の市場の弱さを、待ち望んでいた「買い場」と振り返る可能性が高いと述べている。

「しかし、2026年末にBTCが10万ドル、ETHが4,000ドルになっている局面から振り返れば、今こそが、私たち全員が欲していた買いゾーンだったと言うことになるだろう」とケンドリック氏は語った。

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