リップルがOCCのナショナル・トラストバンク認可を獲得するも、 XRP価格は2ドルでこう着

XRP は、Ripple Labs がナショナル・トラストバンク認可の条件付き承認を獲得したにもかかわらず、2.00ドル近辺で取引されている。

Office of the Comptroller of the Currency（OCC、通貨監督庁）は12月12日に承認を付与し、この暗号資産決済企業にとって重要な規制上のマイルストーンとなった。

XRPは、複数のポジティブな材料があるにもかかわらず、2025年の高値からおよそ40％下落し、ビットコインやイーサリアムに対して出遅れている。

何が起きたのか

Ripple は、連邦銀行監督の下で Ripple National Trust Bank を設立するための条件付き承認をOCCから取得した。

このチャーターにより、Ripple は暗号資産のカストディサービスを提供し、時価総額が約13億ドルのステーブルコイン RLUSD を裏付ける準備金を管理できるようになる。

Bank Policy Institute のCEOである Greg Baer 氏は、OCCの要件がオペレーショナルリスクに十分に対処しているのか疑問を呈し、暗号資産企業への銀行チャーター付与に反対する伝統的金融業界の姿勢を反映した。

今回の承認により、RLUSD はOCCとニューヨーク州金融サービス局による、連邦およびニューヨーク州の二重の規制監督の下に置かれることになる。

現物XRP上場投資信託（ETF）は、11月のローンチ以降でほぼ10億ドルの資産を集め、業界データによれば累計流入額は9億7,100万ドルに迫っている。

XRP価格が軟調な中でも、このマイルストーンはSolana ETFよりも早く達成された。

Ripple の機関投資家向けビジネスの拡大は11月に加速し、同社はFortress Investment Group と Citadel Securities から5億ドルの資金を調達し、企業評価額は400億ドルに達した。

この資金調達ラウンドには、Pantera Capital、Galaxy Digital、Brevan Howard、Marshall Wace なども参加した。

クロスチェーン展開も続き、12月12日には Hex Trust が Solana、Ethereum、Optimism、HyperEVM 上でラップドXRPをローンチし、当初流動性は1億ドル超となった。

規制されたラッパートークンにより、XRPは複数のブロックチェーンネットワークにまたがる分散型金融（DeFi）アプリケーションに参加できるようになる。

RLUSD は11月にアブダビ当局からも認可を受け、首長国の金融センター内で機関投資家による利用が可能になった。

Ripple を取り巻くポジティブなニュースとXRPの価格推移の乖離は、FRB（米連邦準備制度理事会）の金利決定を受けた暗号資産市場全体への下押し圧力を反映している。

テクニカル指標では、XRPは主要な移動平均線を下回って推移しており、モメンタムも弱く、ファンダメンタルズの改善にもかかわらず、短期的には弱気筋が主導権を握っていることが示されている。

2.00ドル水準は重要な心理的サポートとして意識されており、現水準を維持できない場合の次の下値メドとして1.98ドルがアナリストにより指摘されている。

一方で、2.06〜2.13ドルのレンジにはレジスタンス帯が形成されており、これまでの上昇局面を一貫して跳ね返してきた。

Ripple の銀行チャーター取得は、伝統的な金融規制の枠外で運営される暗号資産カストディサービスに対する機関投資家の長年の懸念に応えるものだ。

この承認は、コンプライアンスに準拠したステーブルコイン決済手段を求める銀行や決済事業者によるRLUSD採用を加速させる可能性がある。

しかし、市場参加者は依然としてファンダメンタルズ要因よりも、価格チャート上のテクニカルな構造に注目しているようだ。

Ripple が世界75の法域で規制ライセンスを拡大し、決済取扱高が950億ドル超に達しているにもかかわらず、XRPはビットコインやイーサリアムに対して相対的なアンダーパフォーマンスが続いている。

ネットワークの成長とトークン価格パフォーマンスの乖離は、XRPがどのように価値を取り込むのかという点に関する根強い疑問を浮き彫りにしている。

ETF を通じた機関投資家は、現在かなりのエクスポージャーを保有しており、これまでXRP市場を支配してきた個人投資家主導の取引パターンとは異なる、新たな価格ダイナミクスが生まれている。