投資家は、ZEC(Zcash)を売買し、流動性を提供しながら、本人特定につながる情報やポートフォリオ構成、 取引戦略などを外部に晒さずに運用できるようになった。
Shieldは、ZECとしては初となる「機密性を備えたオンチェーン取引ペア」をローンチした。 これによりユーザーは、同社のノンカストディアル型ウォレット上で、他の対応資産と並行してZcashを一元管理できる。
新たに追加されたZECペアは、秘密性の高いノンカストディアル型AMMを通じ、ウォレットの取引履歴を 市場に公開することなく、ZECの売買や流動性提供を行うことを可能にする。 このローンチにより、ShieldはAleo上の集中型流動性AMMを通じて対応市場を拡大し、対応ウォレット資産のラインアップに ZECを加えた格好だ。
Zcashが守るトランザクションデータ
Zcashは2016年10月にローンチされ、透明な取引と秘匿された取引の双方をサポートしてきた。
透明アドレスはビットコインに近い仕組みで、残高や取引履歴が公開される。一方、秘匿トランザクションは 送金者・受取人・金額を暗号化しつつ、ネットワークがプロトコル上のルール順守を検証できるよう設計されている。
ZcashはzkSNARKsを大規模に実用化した最初のプロジェクトであり、基礎となる金融データを公開することなく、 分散型ネットワークがトランザクションを検証できることを示した。
Shield上のZEC
Shieldでは、ZECはUSDCxとの集中型流動性プールで取引される。トレーダーはZECとドル連動資産との間をシームレスに 移動でき、流動性提供者は自ら設定した価格帯内で資本を供給できる。
Shield SwapはAleo上で稼働し、「公開検証可能なマーケット情報」と「暗号化されたウォレット記録」を組み合わせる。 ゼロ知識証明により、ネットワークはウォレットの機密データを晒すことなくトランザクションを検証できる。
トレーダーはスワップを確定する前に、価格水準や利用可能な流動性を確認できる。 一方で流動性提供者は、どの水準に資本を振り向けるか判断するためにプール状況を評価できる。 プール残高、価格、約定サイズ、手数料といった指標は、引き続き公開された形で検証可能だ。
Shield Swapは、利用者のID、保有ポートフォリオ、取引戦略を保護する。 ウォレット残高や資産構成、個々の取引同士の関連性は、外部から直接把握されない。
ZECポートフォリオ保護の重要性
透明なチェーン上で取引すると、ウォレットアドレスに紐づく恒久的な履歴が残る。 一度アドレスが特定のトレーダーと結び付けられると、その残高や取引履歴は、市場を追跡する誰にでも見えてしまう。
新しいアドレスを次々に用意すれば解析は難しくなるが、取引サイズやタイミング、繰り返し現れる行動パターンは アクティビティを結び付ける手掛かりとなりうる。時間の経過とともに、ポジション構築、リバランス、 資産間の資本移動といったトレーディングパターンが浮き彫りにされる可能性がある。
Shield Swapは、こうしたエクスポージャーを抑制する。公開マーケットデータからは、 各参加者のウォレット全体像や広範なポートフォリオ構成を直接読み解くことはできない。
ZEC保有者にとっては、オンチェーン取引へのアクセスを確保しつつ、自身のウォレット履歴を 競合他社の利用可能な市場インテリジェンスから切り離すことを意味する。
ZEC/USDCxへの流動性提供
ZEC/USDCxプールは、ZECとドル連動資産の間の移動手段を提供する。 流動性提供者は、自身の資本をどの価格帯で利用可能にするかを選択し、その流動性が取引に活用された際に手数料を得る。
これにより、提供者は資本配分をより精緻にコントロールできる。 価格帯を絞れば、選好する価格近辺に流動性を集中させられる一方、より広いレンジを設定すれば、 より多くの価格水準にわたり流動性を供給できる。市場環境や自身の運用方針に応じて、ポジションを柔軟に調整可能だ。
ShieldウォレットでのZEC管理
Shieldのノンカストディアル型ウォレットは、今回新たにZECをサポートした。 利用者は、既存の対応資産と同様にZECを管理し、ウォレットをShieldに接続して取引や流動性提供に参加できる。
ウォレット画面の1クリックバナーから、資産をシールド残高へと移動すれば、即座に取引用の状態にできる。 ウォレット残高は暗号化されたレコードとして保持され、秘密鍵と資産の管理権限は引き続きユーザーが保有する。
現時点では、ShieldがAleoネットワーク上のスワップ手数料(ネットワークフィー)を負担している。 流動性提供者に支払われる手数料は、ユーザーが取引を承認する前の見積もり価格にあらかじめ反映される。
ZEC/USDCx取引はすでにShield上で利用可能だ。アーリーアクセスは、要件を満たす機関および個人のマーケット参加者に 開放されている。
マーケットへのアクセスは swap.shield.fi から、ドキュメンテーションは shield.fi/docs を参照されたい。
なお、Shieldはテクノロジープロバイダーであり、ブローカー、ディーラー、登録仲介業者には該当しない。 投資助言、法務・税務その他いかなる助言も行わない。各参加者は自己勘定で行動し、取引判断および 関連法令の順守について自ら責任を負う。
